ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

白いバスケット・シューズ

エアロスミスの『Walk This Way』のことを邦題で『お説教』と呼ぶヤツはもうほとんどいないと思う。

逆にユーライア・ヒープの『Look At Yourself』は、みんな『対自核』と呼ぶだろう。

ピンク・フロイドの『The Dark Side Of The Moon』は原題で呼ばないこともないが、原題だと長いのでたいがいは邦題の『狂気』と呼ぶと思う。

同じくフロイドの『Meddle』は、邦題の『おせっかい』と呼んだ方が少しだけ音節は長くなるが、気取って英語で『Meddle』と呼ぶようなおせっかい野郎とは友達になれないね。そんな、発音のいいヤツはNOVAうさぎとでもつるんでろよ。

デヴィッド・ボウイの『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』は、店に行って「すいません、デヴィッド・ボウイの『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の郡』のCDはありますか?」と尋ねるのはさすがに長いな。だから今は『ジギー・スターダスト』なのか・・・っていうか英語圏でも『Ziggy Stardust』と呼んでるような気もするが・・・

ドアーズ『Rides On The Storm』が『嵐をこえて』だったのは殆んど忘れ去られているな。

キッスの『地獄の~』って付いてるヤツはせっかくだから邦題で呼ぼう。

AxCxアルバムに至っては、もはや邦題で呼ばないヤツはマクドナルドで押さえ込まれて死んじまうぞ。

結局、『暴走族』を『珍走団』と報道するマスコミはいまだに皆無やないけ。

ありゃ、そういう話じゃないか・・・

・・・と、いうわけで前置きが長くなりましたが、マイケル・シェンカー・グループの2ndアルバムを『M.S.G.』と呼ぶヤツはいないでしょうね。『神話』と呼ぶでしょう。

ザ・マイケル・シェンカー・グループ/ 神話 (1981)

The Michael Schenker Group / M.S.G.

ロン・ネヴィソンによるプロデュースに対する「音がこもっていてあかん」という評価だったり、アップ・テンポな8ビートの曲がないのでちょっと地味な印象もありますが、コージー・パウエルのドカドカしたドラムは効いているし、マイケルのギターも泣いているし、アメリカのマーケットにはない哀愁と独特の湿度を持った作品ですね。

(音質に関しては最新のリマスターである程度解消されているらしい)

そこでやっぱ、ゲイリー・バーデンさんですよね。

マイケル節の持つ泣きには、ねっとりと歌い上げるより、ゲイリー・バーデンのちょっと乾いた声質が合っていると思います。

ポール・レイモンドが作ったバラード、『ネヴァー・トラスト・ア・ストレンジャー(Never Trust a Stranger)』での歌声なんて最高じゃないですか。この曲の邦題が『知らない人を決して信用しないでください』て・・・いや、そんな邦題最初からないけどね。

と、と、とにかく、ボ、ボ、ボ、ボクは、ゲイリー・バーデンの歌メロと、こ、こ、声が、好きなんだなぁ~。

あ、あと、『限りなき戦い(Built to Destroy)』までのアルバムの中で唯一この『神話』だけがインストゥルメンタル・ナンバーが収録されてないのね。

全曲歌モノにして、バンドであるということを前面に出したかったんだろか?

そんなこんなで、M.S.G.の『神話』を『M.S.G.』と言っても何のことか分かんないよ~。

なんてことを言いながら、アルバム紹介の体をほとんど成さないまま今日のエントリーも締めに入るわけですが、どなたかボクの持ってる旧盤と、あなたの持ってるリマスター盤と取っ替えてくんない?2対1トレードでもいいよ。もちろんそっちが2でな。

神話神話

(2009/04/29)

ザ・マイケル・シェンカー・グループ

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