ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

なんでやねん、アイドル

Blankey Jet City 『VANISHING POINT』@MOVIX柏の葉

 

だからさあ!昨日ブランキー・ジェット・シティの映画を観てきたんだよ!

2000年の解散ツアーを追ったドキュメンタリーで、そうさなあ…言うならば「グルーヴの喪失と再生」という感じかな。

そこそこ調子よくスタートしたツアーが、中盤に差し掛かるあたりで調子が狂い始めて、名古屋でかなり切迫した状態になってしまう。バンドのグルーヴが壊れかけちゃうんだな。達也の体調が悪いのも影響して最高の演奏が出来ない。照ちゃんも、それで自分がビートのどこに立ってリズムを刻めばいいか分からなくなってしまう。ベンジーとも話し合うが解決策が見つからない。緊迫したミーティングを経て、何かをつかみ始めた3人は、楽屋やリハ中のジャム・セッションなどを通してブランキー本来のノリを取り戻していく。って感じのストーリーでいいのかな?いい?

で、これってブランキーがずっと抱えていた問題だなあ。3人が発するリズムの波長が合うと最強のグルーヴが発生するけど、合わないと何度も解散話が出るぐらいに危うい関係になってしまう。良いも悪いも達也の存在がデカくて、『ロメオの心臓』では何曲かで達也独自のリズムが封じ込められてしまうんだよね。機械のリズムと同期とか、ループに編集したドラムって単順に当時の流行ではあるんだけど、ベンジーはフラットなリズムの上で歌いたかったってのはインタビューで読んだ。

映画のキーになっているのがライヴ中に披露されるアドリブのセッション。ツアー当初から続いて、バンドの調子が下降してくるとセッションも迷いの多いものになってしまい、最悪のときにはついに取りやめとなってしまう。そして再びバンドの調子が上がったときには、それまでにない長さのセッションが繰り広げられる。

ノリを取り戻したバンドは『LAST DANCE』…最後の横浜アリーナ公演にのぞむ。この最終公演(ホントの最後はフジロックね)、その場に俺はいたんだよなあ。バンドの熱量も観客のパワーも凄かった。暑かった…のは行くために乗ってた車の中で、エアコンが故障しててムチャクチャ暑かった。それはどうでもいいか。

バンドがの解散ツアーって、もうメンバー同士口もきかないか(いや実際に見たことないから知らないけど)、最後ということで以前のように仲良くなったりするらしい(レッズとかもそうだったような)んだけど、ブランキーはそのどちらでもなくて最高の演奏をするための緊張感が常にあったと。最後だからと関係なくゴキゲンな音を互いにぶつかりながら追求する。それを曝け出した良いドキュメントだった。

そういえばエンドロールのクレジット、スペシャルサンクスの中にマイケル・ツィマリングの名前を見つけて思い出した。そうだブランキーのエンジニアもマイケルだったんだなあ。レッド・ウォーリアーズの『King's Rock'n' Roll』で、シャケの6弦1フレットチョーキングにエフェクトかけて、シャケが「なんか違うけどまあいいや」と思ったことで俺の中で有名なロック・エンジニアリングの第一人者、マイケル。その名がスクリーンに出て、おっ!と思った。

 

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(2013/03/20)

BLANKEY JET CITY

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