ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マギーズ・ファーム野茂

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2013/01/31

 

Van Halen / A Different Kind of Truth (2012)

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1. Tattoo
2. She's The Woman
3. You And Your Blues
4. China Town
5. Blood And Fire
6. Bullethead
7. As Is
8. Honeybabysweetiedoll
9. The Trouble With Never
10. Outta Space
11. Stay Frosty
12. Big River
13. Beats Workin’

 

ままならぬヴォーカリスト人事、エディ・ヴァン・ヘイレンの癌闘病、結成以来のベーシスト、マイケル・アンソニーと決別など、1990年代後半からの数年間はヴァン・ヘイレンにとって厳しい季節であった。とうとうバンドは、事実上の解散状態にまで陥ってしまう。

2006年、マイケル・アンソニーに代わってエディの実子、ウルフギャング・ヴァン・ヘイレンが加入。そしてバンドが再び立ち上がるため、最後に切られたカードは、初代ヴォーカリスト、ディッド・リー・ロスの本格復帰であった。

1998年以来となるアルバム『A Different Kind of Truth 』。仕上がった音を聴くと、大ヒットした『1984』、あるいはそれ以前のテイストに引き戻されたという感じはしない。エディが放つサウンドのエッジは1990年代以降のスタイルで、そこからサミー・ヘイガーが歌うバラード、情緒性で聴かせるようなポップ・ソングが差し引かれて、それらに代わりデイヴのキャラクターが活きる曲が並んでいるといったところか。それにしても、デイヴが歌うとここまで泣きの要素が排除されるという割り切り方が凄い。ある程度の押し引き、ハードかブルージーかのバリエーションはあるにせよ、メロウ感なしにここまで聴かせてしまうという、力技でリスナーを捻じ伏せてしまう。

ウルフギャングが入ったことで、楽器陣はドラマーのアレックスを含めてヴァン・ヘイレン・ファミリー3人の演奏となった。そのグルーヴの上でデイヴが吠えるという構図が21世紀型のヴァン・ヘイレンだ。(Jeffgoldsmith)

 

 

A Different Kind of Truth

A Different Kind of Truth