Blankey Jet City / 幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする (1994)
これは、ブランキーにとって最初の異色作、問題作ってことでいいんかな?(二つ目の問題作は、ドラムのサンプリング、ループを取り入れた『ロメオの心臓』)
タワー・オブ・パワーのメンバーを迎えてホーン・セクションを導入したのと、他のアルバムに比べてアコースティック・ギターが多用されて、さらには周りの要望に応えた形で作られたポップ・ソング『青い花』がアルバムを締めている…等など、ブランキーのヒストリーにおいてはちょっと浮いた存在。
この収録曲は後々のライヴでほとんど演奏されなくなったし、本人たちの中でも評価は厳しいんかなあ。俺としてはオープニングの『円を描く時』が放つクールな緊張感なんか最高だし、『風になるまで』で見えてくる風景描写も大好。、『青い花』だって嫌いじゃない。結構すきなアルバムなのだ。ただ、すべての楽曲がライヴ映えするかどうかってのは微妙かな。
と、ここら辺までの話を仕事中の3時頃までに考えて(仕事中に考えんなよ!)、「これだけじゃ、ちょっと弱いかなあ」と思っていたところ、3時の休憩を終えた頃に…そうだ!思い出した!大変なこと思い出した!
このアルバムは最初に勤めたCD屋で、同僚の女の子に借りて聴いたんだった!俺がメタル売り場で、その子がジャズ売り場で、どういった成行きで借りたんだか忘れたけど、初期のアルバムをまとめて貸してくれたんだ。1stアルバムはなかったな。で、その時点での最新アルバムがこの『幸せの鐘~』だったんだよ。
それらを返す時に感想を聞かれた俺は、「カッコいい。けどこの、救いのない感じのシリアスさがトゥ・マッチかなあ」なんて言っちゃったんだよ。そこはただ、「すげーカッコいいブランキー最高!」でいいじゃんね。バッカじゃないの?俺。
凄いバンドだって認識はある反面、EMI時代のブランキーは俺の心となかなかシンクロしなくて、彼らが俺の中で大きな存在となるのは、二つ後のアルバム、『Love Flash Fever』からなんだよね。それが理解できたら、EMI時代の曲も気持ちよく聴けるようになった。
俺にブランキーのCDを貸してくれた女の子は、その後そんなに長くは勤めないで辞めちゃったんだっけな。一年いなかったと思う。その後どうしてんだろうなー。記憶の底に沈んですっかり忘れてたことを今日思い出したよ。オギさんCD貸してくれてありがとう。何年か経って、俺はブランキーをすげー聴き倒したんだよ。
幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする
(1994/05/25) |