ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マギーズ・ファーム野茂

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2012/10/16

 

White Zombie / Astro Creep: 2000 (1995)

f:id:jeffgoldsmith81:20170513225440j:plain

 

1. Electric Head, Pt. 1 (The Agony)
2. Super-Charger Heaven
3. Real Solution #9
4. Creature Of The Wheel
5. Electric Head, Pt. 2 (The Ecstasy)
6. Grease Paint And Monkey Brains
7. I, Zombie
8. More Human Than Human
9. El Phantasmo and The Chicken-Run Blast-O-Rama
10. Blur The Technicolor
11. Blood, Milk And Sky

 

1990年代にブレイクしたインダストリアル・メタル・バンド、ホワイト・ゾンビの最高傑作にして、実質的なラスト・アルバムがこの『Astro Creep: 2000』である。鬼才ロブ・ゾンビを中心に、ホラーチックなヘヴィ・ロックを鳴らしていた。

不気味で不穏な空気を漂わせる曲調、曲の冒頭に入るSE。それらはブレイクの第一章となった前作『La Sexorcisto: Devil Music Vol. 1』の世界観を引き継いでいる。そしてさらに本作では、リズム面でデジタル・サウンドを大胆に導入。これは、バンドが元来持っていた音楽的特長と相性が良かった。ヘヴィなギター・リフやザラついたロブの歌声などとシーケンサーの反復音とが、がっちりと組み合っているのだ。デジタルのジャストなグルーヴが、生演奏と化学変化を起こし、音圧が倍々に増しているように聞こえる。曲のポテンシャルを目いっぱいに引き出しているといってもいい。

ソング・ライティング自体も、飛躍的にレベルが上がっているようで、ダークな雰囲気を醸し出す反面、どの曲もフック満載でキャッチー。ハードだが聴き手を限定しない間口の広さがある。

自身一番のヒットを飛ばした後、バンドは本作のリミックス・アルバムを残してあっさりと解散してしまった。それ以降はロブ・ゾンビがソロ・アーティストとして、この独特なゾンビ・ワールドを継承している。(Jeff Goldsmith)

 

 

Astro Creep: 2000

Astro Creep: 2000