ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

チョコクロワッサン日記

扇田裕太郎 / I AM (2016)

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ピンク・フロイドのトリビュート・バンド、原始神母でベースとエレキ・ギターとアコースティック・ギターと、『狂気』の笑い声と、『神秘』では銅鑼の連打も担当する扇田裕太郎さんの5曲入りソロ・アルバム。

 

冒頭『Rock'n'Rollの星』で、爪弾くアコースティック・ギターと囁くような歌声でまず衝撃を受ける。Rock'n'Rollって言葉、こういう使い方、乗せ方もあるのか!って。さらにこの曲、すげー韻を踏んでるし。そして最後に「ロンドンへ行こう」って締めくくるとは…Rock'n'Rollの町だから。シンプルなフォーマットの上に、発明がいくつも乗っかっている曲でビビる。

 

『なんにもやる気がおきない』なんてタイトルからしてすごいんだけど。部屋の中でたたずむしかない心象風景がずっと流れて、最後の最後に大どんでん返しが…なくて。これ、もし俺が書いた日記だったらヤバいんだけど、ここに入ってるメロディとアレンジで耳に入ってくると、心地よくてこれでいいんじゃないかって思えてきてしまう不思議。

 

そんな感じで並んでる5曲。俺は原始神母の体験をフィルターとして聴いたから、だからそう、ピンク・フロイドのエッセンスが入ってる。と、思った。『モア』、『おせっかい』、『原子心母』あたりのアコースティック・ナンバーかなあ。まだロジャー・ウォーターズの主張が控えめなトーンだったときの。アコースティック中心のサウンドで、歌に呼応して入るエレキのフレーズとかも、フロイドを感じるなあ。

 

原始神母はメンバー8人とゲストの管楽器。それでカヴァーを演奏。ソロは一人で完結して自己の表現。あっちの活動とこっちの活動、世界観の重なる部分、対照的なところ、いろいろ感じられる作品だったよ。

 

 

 

I AM

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