ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

悲・GEORGE

エドガー・ウインター・グループ / 恐怖のショック療法 (1974)

The Edgar Winter Group / Shock Treatment

ポップ、ロックンロール、、ハード・ロック、ブルース…と、ごった煮的な曲群でつかみ所のないというか、そこが逆に魅力でもあるこのアルバム。音楽性のレッテルが貼られるのを拒否するかのように曲によって印象がかなり変わるが、ポップ・サイドのナンバーでは共通してウエスト・コーストの香りが漂ってくる。かっちりとした曲の成り立ちというより、あくまで“空気を感じる”といったところだが。

クレジットを見ると、曲の大半はエドガー・ウインターではなく、ベースのダン・ハートマンによるもので、全体のプロデュースはギターのリック・デリンジャーが担当している。

ヴォーカル・パートはエドガー・ウインターとダン・ハートマンで分け合っている形だ。

クレジットで聴くわけではないが、このようなアルバムの構成も印象の複雑化に影響しているのだろうか?

ブルース・ナンバーの『イージー・ストリート(Easy Street)』は後に、デヴィッド・リー・ロスが最初のソロ作品の中でカヴァーしている。そういえばデヴィッド・リー・ロスは本格的にソロでの始動となった『イート・エム・アンド・スマイル(Eat Em & Smile)』では『タバコ・ロード(Tobacco road)』をカヴァーしている。これもエドガー・ウインター経由での影響があるのかな?

シルヴァーヘッドの項で書いたのと続いてになるが、シャケ&FUJITOが日本武道館のイベントで、このアルバムに収録されている『クイーン・オブ・マイ・ドリームス(Queen Of My Dreams)』を取り上げていた。インタビューなどで、シャケの口からエドガー・ウインターの名が出ているのを見たことは一度もないのだが、これは誰の選曲だったのだろう?シャケとのツイン・ギターで参加していたラットのロビン・クロスビーだったりして。

吸収した様々な音楽を小さくまとめるのではなく、四方に照射するような突き抜けぶりを感じるエドガー・ウインター。“ジョニー・ウインターの実弟”“アメリカン・ハード・ロック”などの先入観なしに頭を柔らかくして聴くと、そのフットワークの軽さにつられて、自分の脳内にある様々な固定観念も殻を破って様々な方向に突き抜けてゆくようで気持ちいい。

ん?それで『恐怖のショック療法』つうこと??

恐怖のショック療法恐怖のショック療法

(1994/09/07)

エドガー・ウインター・グループエドガー・ウィンター・グループ

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