RED WARRIORSが初めてオーガナイズするフェス、RED ROCKSを観た!
近年のレッズは、数は少ないがそこそこ定期的に集まってやっていて、だいたい80年代に絞った選曲でいろいろテーマを決めて特色のあるライヴをやってきた。
ただ、なんせ80年代つったらアルバム4枚なので、毎回驚きのあるコンセプトでって、どうやってずっと続けんのか?って思ってた。
まさかフェス形式が来るとは思わんかったぜ。
初日はTHE PRIVATES、斉藤和義、GLIM SPANKYというラインナップ。
俺は2日目を観に行ったぞ。
The Lady Shelters
2日目唯一の、80年代デビューじゃないバンドだった。2019年結成だから他と比べたらメチャクチャ新しい!そんな時代のバンドだからして、YouTubeで名をあげた…って認識でいいのかな?動画ではクラシックロックのカヴァーをたくさんやってんだよね。
ユカイとシャケも参加してストーンズやったり。で、自分のイベントにDiamond Shakeを招いたりしてて俺は去年知った。
他より若いのにというか、若いからなのか、レッズやZIGGYより古いロックンロールの質感をストレートに表現している。レッズだったら、REBECCAの名残りでニューウェーブがあったりZIGGYならハードロックやビートロックからの影響もあったりで、80年代のものが混ざって70年代回帰してたように思うんだよね。The Lady Sheltersはもっと直接的にストーンズとかにアプローチしてる感じだった。来てる客層からして知名度は高くないと思いきや、トップバッターでも皆けっこう立って盛り上がって観てたな。
Respect up-beat
広石武彦がUP-BETATの曲を歌うべく始まったRespect up-beat。選曲が最高だった。ワンマンだと違うんだろうけど、このイベント的には超よかった。「来た!あれまた来た!」みたいな感じでテンション上がったな。広石氏って、音楽業界の中で悩める青年みたいなイメージがあったの。自分としては。渋公のビデオだっけ?何かのライヴビデオでリハーサル後に超キレてる場面があったり、90年にはメンバー5人中2人が脱退したり。
で、2023年に現れた彼は、オモシロおじさんだった!MCがヤバい。
と、今このバンドは2人もThe Willardにかかわったメンバーがいるの。00年代にやってたドラムの大島治彦氏と、つい最近、サポートをやめるアナウンスがあった篠田達也氏。2人はThe Willardに同時には在籍してない(よね?)ので、時間差ウイラード。
そんで、The Willardを最近辞めた篠田氏のことを広石氏がMCでいじって、それは超オモシロかったんだが、それはちょっとここには書けない!オモシロかったんだけど。あの場でThe Willardの話が出て「お?」っと思ったのって何人いたかな?
俺も知ってる曲のオンパレードで、まあそういう客も納得させるようセットリスト組んだという影響もあるんだろうけど、キャッチーさのスケールがデカい!それがすげーよかったし観てて楽しかった。
PERSONZの選曲も、今回の客層に合わせてと思われ、青春のアンセム感が凄い!
JILLの歌が凄いのと、なんかずっと回ってた!
「DEAR FRIENDS」のギターソロで二人羽織ピッキングがライヴの定番になってるとは知らなかった。この曲のギターは歌バックもソロも、日本のロック屈指のよくできたフレージングだなあ。
PERSONZって、売れてるのに、高校時代に周りでコピーしてるバンドひとつもなかったな。ギターの機材も奏法も再現が大変だからか?と思ったけど、一般層まで巻き込む大ブレイクは1989年だから、俺もう高校出てたか。と、すると学年1っこか2こ下にはコピーバンドいたのかな?
曲の発するポジティブエネルギーが凄いんだわ。ストレートなポジティブさって90年代なら距離置いてたけど、2023年なら受け止められる。年齢的にも。
レッズとともに80年代日本のロックンロール2台巨頭だよ。あ、スライダーズは?スライダーズはデビューがだいぶ先行してるので別枠!80年代後半のムーヴメントだとこの2バンド。
暗転からいきなり「I'M GETTIN' BLUE」でスタートした。80年代と、出たばかりの最新アルバムを行き来する構成だった。
Diamond Shakeのイベントに出たときは短髪っぽかった森重氏は、長髪に戻ってて、かなりデカい逆毛で他の人の3倍くらいあった。
「GLORIA」とか、カトウタロウさんはギターソロをリリース音源に忠実に弾いてて、宗仁氏は当時からライヴでいろいろ変えてたので、耳馴染みとしては安心感があった。
シャケが事前にTwitterへUPしていて、「どう使うのか?」と思ってたレスポール2本。
まず、オープニングの「90'S REVOLUTION」でダブルカッタウェイのレスポール・ジュニアが登場した。
もう1本、チェリーのはレスポール・クラシックかな?「Sunday Sunshine」で使用して、つまり『Swingin' Daze』の曲をレスポール系で弾いた。シャケとレスポールといったら、「STILL OF THE NIGHT」のMVで白のカスタム弾いてるんだけど、見たのってそれっきりだし、あれってイギリスで撮影して現地調達の借り物でしょ?今回のは何なのだろう?本人所有のギターかしら。
ユカイは前日もやったらしい、ソニックシティホールの壁際花道を連続側転。花道って狭いからひやひやしたぜ。スティーヴン・タイラーも東京ドームで前方宙返りしてたけど、それは50歳のときだから!ユカイ還暦はもう還暦過ぎてるから。
今回のイベントは、バンド転換のインターバルで、レッズの各メンバーが出てきて司会の山本さんとトークすんのね。(レッズの前のみ、森重氏登場)それは楽しんだけど、そうすると長丁場なのにトイレ行く隙がないんだよ。「ん~まだ我慢できるけど、ギリギリになる前に一度行っとかないとな」ってトイレ行ったら、その回がキヨシの出番だった。戻ったとき「地方に大挙していったミュージシャンたち(東北ロックサーキット?)が、メール等ない時代にどうやって飲むところに集合したか?」みたいなこと言ってたんだけどその前って何話してたの?聞き逃した。
レッズが終わって、アンコールはみんなでセッションをしたぞ。なんか前日は「雨上がりの夜空に」をやったって。じゃあ、今日は何かって、広石氏のリクエストもあって、「バラとワイン」だった。順当か!
出演メンツの声で「バラとワイン」は聴きごたえがあった。JILLが仕事の都合で先に会場を出てて残念だけど、PERSONZからはギターの本田毅氏が、リハなし一発とは思えないアレンジで、シャケにはいつもの通り弾かせつつ、ハモリをかぶせてた。さすがだ。
ステージにユカイ、広石、森重とそろったら漫才みたいで喋りがメチャメチャ面白かったな。なんなんだあのおじさんたちは。
80年代デビュー組がレッズとPRIVATESで、出演中2/4だからどんな雰囲気だったのか分からないが、2日目は完全に80年代青春イベントだった。自分が30代なら受け止められなかったかもだけど、もうそれにも抗わない方がいい年齢になっている。
レッズとUP-BETATがデビューした1986年て今から37年前なのね。その世界が今の高校生にとってどう見えるかというと…1986年の37年前って、1949年なんだよ。プレスリーがアルバム出すはるか前。『エルヴィス・プレスリー登場!』が1956年だよ。そんな距離感。
チューリップのラストツアーをNHKでやってるの観たりすると、お客さんみんな年取ってるなーと思うけど、確実に我々世代も後を追っている。
それを言ったらメロコア世代もそうなるし、ボカロ世代だってそうだ。だから昨日のユカイ曰く「ロックンロールは愛」でポジティブに受け入れるべきか。
今が人生の第何コーナーなのか、考えつつ、80年代の空気にぐっと引き寄せられる楽しい空間だった。