ザ・ローリング・ストーンズ / スルー・ザ・パスト・ダークリー (ビッグ・ヒッツ Vol.2) (1969)
The Rolling Stones / Through The Past, Darkly (Big Hits Vol. 2)
たしかこのアルバムが、俺の買った初めてのストーンズだったと思う。1969年リリースで、ミック・テイラー参加の『ホンキー・トンク・ウィメン』以外はブライアン・ジョーンズ時代の曲というこのコンピレーションは、今となっては「ストーンズのとっかかりとしてこれ」といったアイテムではないんだよね。そりゃそうだ、ストーンズはこの後に山ほどの曲を作ってるわけだから。入門編としての機能はCD時代になってから出たオールタイムベストの方が当然充実してる。
だがしかし、60年代までのコンピとしては、これはかなり選曲がツボなんだよなあ。俺はこれを始めに聴いて凄く良かったと思う。
今でもライヴで絶対に演奏されるのは『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』と『ホンキー・トンク・ウィメン』でしょ。その次に名が通ってるのは『夜をぶっとばせ』と『ストリート・ファイティング・マン』あたりか。『ダンデライオン』や『シッティン・オン・ア・フェンス』といったポップソングもいいし。
で、俺にとってキモなのが、『この世界に愛を』。これはもう最高。ダークでサイケデリックで退廃的で。サイケデリックな感じの曲って、その後のストーンズ文脈から完全に外れてて、もちろん今まで生で聴いたことなんかないし、今後もやらないんだろうけど。この曲はかなり好きなんだよね。同じくサイケデリックな『2000光年のかなたに』は、『スティール・ホイールズ』のツアーでやったんだよな。でもこっちは…もうやらないんだろうなあ。この曲はウイラードがSEで使用したり、カヴァーもやってるとか、そういった繋がりもあるな。
アルバム収録の曲もこの並びで聴くとまた違った良さを感じるし、LP1枚で上手くまとまった、意義のあるものだと思うなあ。
Through The Past, Darkly
(2014/02/11) ROLLING STONES THE |