4月18日に死去したヒプノシスのストーム・トーガソン。自分のライブラリーに彼の作品がどのくらいあるか気になって、確かめてみたら、ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンの各アルバムはもちろん、あれもこれもといろいろ出てきた。ヒプノシスは80年代に解散しているので、その後だとフィッシュ、オーディオ・スレイヴ、ドリーム・シアター等など、今まで意識していなかったものも彼の作品だった。
俺がその中で一番思い入れあるジャケットデザインは、ベタだけどフロイドの『狂気』だな。音だけでも名盤なんだけど、あの黒バックに浮かぶ三角形…プリズム、とそれを通して屈折し走る光を見ていると、フロイドの音楽から湧き上がるイマジネーションを何倍にも増幅してくれたんだよね。あれを見ながら『アス・アンド・ゼム』なんか聴くとたまらないんだよなあ。
ジャケットに登場する三角形や牛は、見ようによってはただの三角形であり牛でしかないんだけど、その日常とほんの少しずれた非日常、違和感が音楽と合体すると、何かとてつもなく大きな意味を持つんじゃないかって気分になっちゃうんだよ。今回あらためてストーム・トーガソンのジャケット群を見返して、そんなことを考えた。
狂気
(2011/09/28) |