松任谷由実 / SURF&SNOW (1980)
ゆったりめのシャッフルでリズムを刻む『彼から手を引いて』で始まるA面は、古いワゴンで旅に出ようというオールデーズ調の『ワゴンに乗って出かけよう』で、のんびりとしたドライヴ風景を頭に思い浮かべて終る。
そして、レコードをB面に裏返すと…古いワゴンがいきなり“セリカGT-FOUR” になって、四輪駆動のタイヤで雪の積もった路面をガシと掴み、物凄いスピードで疾走してくるから超ビビる。そう、アルバムA、B面を替えたときの・・・『恋人はサンタクロース』のイントロが持つアッパーさ加減、アドレナリン分泌度は半端ではない。U2の『ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネイム(約束の地) 』が流れてきたときぐらい凄い。
あ、でも、『私をスキーに連れてって』で主人公役の三上博史が劇中乗っていた車はセリカじゃなくてカローラⅡだぞ。つうか、俺はスキーなんか一生に2回しか行ったことないぞ。しかもそのうち一回は高校の修学旅行だ。
ん?だんだん何の話か分からなくなってきたぞ。とりあえず、あれや。実際のリリース(1980年)からだいぶ後になって曲が使われた映画の影響で、ガツンとリゾート色の強い曲の方が強い印象になっているが、もうちょっと繊細な心象風景を描いた曲も秀逸ちゅうわけや。『恋人と来ないで』では、ファンファン大佐が甘いヴォイスでユーミンとデュエットしとるんや。
そんでもって、あの頃(1987年)、映画に描かれていたような、スキーや男女の戯れや、モテることと関係なく生きていた我輩の頭の中に、映像とともに生き続け2010年になっても聴かせてしまうユーミンの楽曲は、映像との親和性がすごいのと、体験していないことまで想い出と錯覚させてしまうくらいに風景の切り取り方が上手いちゅうことや。 旦那さんのプロデュースするサウンドも、頭の中に映像を喚起するような作りになっとるっちゅうことや。
ん~、我ながら意味が分からなくなってきた。
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(1999/02/24) |