ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

硫酸どろどろなんでも溶かす

私が高校を卒業した当時、就職した者が給料をもらえるようになると、次々と車を購入しだす現象が起こった。

最初のうちは皆、資金がないので5年落ち~の中古車、50万円ぐらいの物を購入した。

私の交友範囲では、2.000ccクラスのスポーツカーを手に入れる人間が多かった。

ヤンキー度が高いとセダンを購入するとゆう図式もあった。

私には、5年落ちの中古車を購入する資金すらなかったので、そんな周りの状況を、鼻を垂らしながらボ~っとした表情で眺めていると、元同級生の一人が「新車に買い換えるからこれ売ったる」と、話を持ちかけてきた。

30万円を月々2万円の分割で払えばいいとゆうので、まんまと乗っかって譲り受けたのがこの車。

マツダコスモ(1982年式)。

当時で7年落ちの車だ。

コスモ・スポーツでもなく、後のユーノス・コスモでもなくその狭間に生産されていた3代目コスモ。

4ドア設定もあるがこれは2ドア・ハードトップ

角目4灯リトラクタブル・ヘッドライト、オート・エアコンの操作方法、オーディオはラジカセのようなテープ挿入方式・・・など、何かと変わりダネな装備満載の車だった。

マツダといえばロータリー・エンジンだが、こいつはそのグレードではなく、レシプロでSOHC4気筒NAエンジンだった。

120HP/5500rpm(gross)、車重が1160kgなので、乗っていて“速い”とゆう印象ではなかった。カタログ値がどうこうよりも、エンジンがかなりヘタっていたからとゆう説もある。

赤いボディ・カラーで社外フォグ・ランプが付いていることもあり、正面から見るとスポーティな印象に見えなくもないが、横から見るとかなりの巨鯨的スタイル。ハンドル径も大きく、スポーツ・カーの軽快感はなかった。

しばらく乗ってみて車のことがすこしずつ分かってくると、30万円とゆう価格はどうもボッタクリと分かる。

キズだらけだし、高速走行中にハンドルのガタつきが酷くなってきて、調べてみたらタイヤのワイヤーが露出するまで偏磨耗してたし・・・

けっこうダメダメな車だったが、そんなヤツでも持っていないときと手に入れてからでは環境が一変した。小学生のときに自転車で隣の街まで行けるようになった以来のビッグ・バンが起こったのだ。

電車ような乗り換えもなしに遠くに行けるし、終電などの制約もなく夜中でも走り回れたのが最高だった。

終末の深夜に、友人達と車内で語り合いながら夜明けまで走るのが超楽しかったネ。

暴走するわけでもなく、お喋りしながらずっと走ってんの。ルーレット族でもなく、法定速度で首都高を延々グルグルと回っていたこともあった。

正月に靖国神社初詣に行くようになったのも、思想的な背景があるわけではなく、当時の初心者的ドライヴに由来する。

車を手に入れてすぐ、大晦日から年が明けての深夜、カーナビも普及していない時代(今も持っていなかったりする)、ロード・マップも持たずに慣れない都内(慣れないっつうか車で走るの始めて)を迷いながら走っていたら闇の中に大鳥居が現れたのだ。

それからはぼ毎年、夜中に靖国神社へ行くようになって、年を追うごとに深夜の初詣客は多くなり露店も爆発的に増え、参拝の列に規制がかかったときは驚いたが、20年前の深夜にはボーイスカウトとお相撲さんと右翼団体の方々しか

いなかったのだ。

そんなこんなで約1年間、このコスモで当てもなく徘徊した。

その後、AE86トレノが親戚から回ってきたのでコスモを5万円で友人に売った。(編磨耗したタイヤを買い換えたのでその値段とゆうことで)

そして、後から聞いた話によると友人に渡ったコスモは高速道路を走行中にエンジンがストップ、そのまま天に召されたそうな。

とゆうことで頭の奥から記憶の糸を紡ぎ出してここまで書いたが、すげー個人的な体験だからこの日記ってまっっったく普遍性がないネ。

んじゃ、バイバイ!

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