『オーケンの のほほん日記』(1992年~1995年までの日記)の続編である本書には、1995年~1998年までの日記が収録されている。
患ってしまった不安神経症の苦しみから徐々に解放されてゆくオーケンであったが、今度はそれと入れ替わるようにバンドの存続問題が浮上してくる・・・嗚呼、人生って!
ソロ活動、作品の売り上げやライヴの動因といった問題、事務所の経営状態、タイアップ問題、モンキー・ビジネスとロック魂との間での葛藤、レコード会社から契約更新なしと通告されてしまう等など・・・着ていた服の糸がしだいにほつれて生地がバラバラになってしまうようにバンド終焉までの道のりがユーモアを交えつつも刻々と残酷なまでに映し出されていて、切ない。本文中にも書いてあるが、こうゆうときってなんだこれ?何故、この共演者?ってラインナップのイベントがブッキングされたりするんだよなあ。
バンドの活動休止を決めるタイミングが筋少10周年ライヴの直後で、夏祭りでにぎわう高円寺(高円寺、中野周辺はオーケンをはじめメンバーゆかりの地)の喫茶店だとゆうのも泣かせる。
日記のクライマックスで(日記のクライマックスって何だよ?)、前作同様に登場する“宿無し君”とオーケンの前をマツダの“コスモ・スポーツ”と幻のスーパーカー、ランボルギーニ“イオタ”が走ってゆくが、コスモ・スポーツはともかく(これは極稀に公道でも見かける)、イオタまでが登場してしまうとゆうことは、やはり“宿無し君”とゆう登場人物と彼に関するエピソードは、物語に盛り上がりをつけてからエンディングに向かうため、オーケンによって造られた架空のものなのだろうか。
オーケンののほほん日記ソリッド (新潮文庫) (2002/06) 大槻 ケンヂ 商品詳細を見る |