ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

ヤン衆丸

COBRA / OiOiOi

ラフィン・ノーズからPONとNAOKIを迎えたコブラの躍進を見た印象は、“檻から放たれた猛獣のよう”といったものであった。

PONとNAOKIはラフィン在籍後半の鬱憤を晴らすようなぶち切れたパフォーマンスだったし、何故かマイクを2本束ねて全開のテンションで歌うYOSU-KOに関しては、「こんな奴、何処に隠してたんだ!?」とゆう感じだった(AAレコード時代を知らなかったもんで)。

『オールナイトフジ』で女子大生を前に繰り広げたパフォーマンスは、その空間での異物感が最高だった。

ポニーキャニオンからリリースされた『OiOiOi』は捨て曲無し、限界まで空気を詰め込まれた風船が破裂するようなテンションがある。

政治思想や労働問題へのアプローチは希薄で、青春を歌うというギャップに「これはOiではない」という批判は当時かなりあったし、それに伴うトラブルもあったようだが、純粋に歌心のあるロックとすれば、そこに詰まっているキャッチーさは掛け値に素晴らしい。

後半のハイライト『JIMMY DEAN』などはまっっっったくOiパンクなどではないが、このメロディは泣けてしまう。なんだろうこの夕焼け感は・・・

急速にブレイクして短命に終わってしまったこの期のコブラ。本当に疾走していた感があった彼らは、あまりのスピードに機体が耐えられなくなって空中分解してしまった印象がある。

その様子、生き急いだバンドの顛末は後にNAOKI、YOSU-KOとも異句同音に語っている。

YOSU-KOとPONがCOWCOWを立ち上げた頃には、コブラの4人だけでなく、シーン全体もバンドブーム終焉の波に襲われ、次のフェーズに入っていった。

Oi Oi OiOi Oi Oi

(2003/05/21)

COBRA

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