ジョン・リー・フッカー / ブーン・ブーン (1992)
John Lee Hooker / Boom Boom
ジョン・リー・フッカーは2001年に83歳で亡くなったのだが、これは1992年に発表されたアルバム。老いをものともしないプレイを聴かせてくれる。
自身のクラシック・ナンバーを、’90年代のセンスでセルフ・カヴァー。ジミー・ヴォーンやアルバート・コリンズらが参加し花を添えている。
この作品では音の印象がとにかくクール。全体にかかるひんやりとしたリヴァーブ感・・・聴いていると、都会の裏路地にある薄暗いクラブで演奏する様子を聴いているような錯覚を覚える。
苦味走ったヴォーカル、それにクロスしてくるギター、ジャケットの写真でもそうだが、まるでマフィアのボスのような静かな迫力がある。
1コードで押し通すスタイルで語りかけてくるように歌う声に耳を傾けていると、まるで自分がハード・ボイルドになった気分になってしまう。
私はカウンターに座り、背中で演奏を聴きながら、ウィスキーのグラスを揺らすと、中の氷がカランと・・・いや、酒は飲めない、酒は。
・・・飲めないの。
ザ・グレイト・ジョン・リー・フッカー
(2008/12/19) |