ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

情熱れいんぼぅ

Reaction Tribute Album -Always On My Mind- (2001)

2001年に発売された、リアクションのトリビュート・アルバムは同時代にジャパニーズ・メタル・シーンで活躍したメンツを中心に、その世代に影響を受けた人たち、さらには菅沼孝三そうる透といった重鎮までが参加している。

大橋隆志率いるTHE OUTSIDERS等はバンドで参加しているが、基本的には様々なメンバーがこのアルバムのために組んだセッション・バンドでの演奏になる。

意外なところでは、LUNA SEAの真矢のドラムをバックに、ザ・スタークラブのHIKAGEが歌ったりしている。

原曲にほぼ忠実なものもあるし、ダウン・チューニングやスラップ・ベースを駆使したり、'90年代以降のヘヴィ・ロックの雰囲気を反映したものもある。

それぞれ趣向を凝らして、バック・トラックを作り、様々なヴォーカリストが歌っているのだが、そこで逆説的に感じるのはオリジナル・ヴァージョンを歌っていたJUNYAの、リアクションの中での存在感だったりする。

メタルとして上手い歌い方でも、リアクションの曲だとどうもハマらなかったりするのだ。

後期はロックンロール色を強めたリアクションだが、基本的にジャパニーズ・メタルとして活躍したバンドだし、JUNYAもその中のヴォーカリストだった。が、JUNYAの魅力として、少しそことは違う観点から見ていたのかなと、このトリビュート・アルバムを聴いて思った。

リアクションの活動中でも初期より後期の方が技術的には成長している。もっと言うと、その後に組んだバンド、グランドスラムになってからは更に上手くなった。

しかし私としてはリアクション初期の2枚、『INSANE~発狂~』と、『AGITATOR』の頃、若さを爆発させていた歌い方を好む。

初期は後の作品に比べると表現のバリエーションも少なくどちらかというと一本調子、加入してまもなく製作された『INSANE~発狂~』にいたっては、キーが合っていないような部分も多く、高音に苦しい部分が多々ある。

・・・だがそれがカッコイイのだ。

バンドの激しい曲調と、JUNYAの切羽詰った、吐き捨てるような歌が凄くマッチしている。

演奏も歌もけっして、“パンク”ではないが、感覚として“限りなくパンキッシュ”なのだ。

過激なバンドという評判とメンバー最年少JUNYAの破れかぶれで急性なヴォーカリゼーションが相乗効果を上げていた。JUNYA加入以前、ソノシートをハードコア・パンクのレーベル、“ADK”からリリースしていたという事実を含めて、“スピード・ナンバーを繰り出す過激なバンド”のイメージ作りに一役買っていたのかもしれない。

とゆうことで、そんなJUNYAの歌と比べてしまってこのトリビュート・アルバムには厳しい点数と付けてしまうが、そんな中ひとりかなりの異彩を放っている人物が居た。

『I'M SO EXCITED』でギターを弾いている、デッド・エンドのYOUだ。

曲の方はわりと原曲に忠実だが、ギター・ソロでそれが一変する。バッキングはリアクションの曲なのだが、その上に乗るギター・ソロがどうしてもデッド・エンドにしか聴こえない。

そこの部分だけ切り取られてデッド・エンドの世界になってしまったようだ。

・・・て、字にするとその凄さがイマイチ伝わらないが、見える風景を一変させてしまうYOUのギター・プレイは特筆ものだ。

と、このアルバムに参加していない本家のJUNYAが凄いということと、「YOUのギターは凄い!」ということでけっこう長いエントリーになってしまったが、そんなにヘヴィ・ローテーションで聴いているわけじゃないよ、コレ。

・・・つうか、そんなに何十回も聴いてなかったりする。

まあ、オリジナルが一番いいっつうことなんだが。

REACTION TRIBUTE ALBUM Always On My MindREACTION TRIBUTE ALBUM Always On My Mind

(2001/10/24)

オムニバスBANZAI!

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