JUN SKY WALKER(S) / LOST&FOUND (2012)
そんでもって、再結成後のアルバムである。誤解を恐れずに言えばだ、これがどこぞの新人が作った作品だったら、そんなに面白くないものだよ。しかし、青春と格闘し、一度バラバラになったジュンスカが、歳を重ねて再び集まって生み出したものだと思って聴けば、なんとも味わい深く、感慨深いアルバムなのである。だから、多用される、非ロックてきな言葉、カズヤ本人でも昔なら使わなかったような詩のフレーズも、これはこれでアリだなと思ってしまう。あと、言葉の意味が具体的になればなるほど、歌詞としては収まりが悪くなるんだよね。それはジュンスカに限らず。音符と文字数が合っていても、なんか収まりが悪いの。このアルバムでも、出てくる言葉がストレートを通り越して具体的で、収まり悪いんだけど、そこをカバーするのが年季なんだよね。「これは分ってて、あえてやってんだろうなあ」というのもあるし。
青年から大人になったジュンスカが、具体的な言葉で青春との関係性、ロックとの関係性を、再確認しているような感じかな。リスナーも、再結成して嬉しいからって、まんま自分が18歳に戻って聴こうとすると、ちょっと違うかもしれない。ジュンスカも自分も、同じ年月を経て作り、聴いていると思えば、響くと思う。
あ、あと『ロックフェス』って曲はタイトルを見たときには、「いい時代になったよな~」っていう、ロックフェス賛歌なのかと思ったけど、聴いてみたら、ヘヴィ・メタル・チックなギター・リフに乗って、ロックフェスのビジネスに毒づいている内容の曲だった…
LOST&FOUND(初回限定盤)(DVD付)
(2012/04/25) |