ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

む~んな気持ちはおセンチ

木暮shake武彦 / 水と光の魔法 (2011)

 

えーーーーっとねぇ、ズバリ言ってやろうか!?

これはねぇ、現在富士山麓在住のシャケが、自然にかこまれた自宅で、燦々と降り注ぐ木漏れ日の中、ギターを弾きながら作曲している姿が見えるような作品だ!

って、自分だけが気付いたように威張って発表するようなことでもないけど。

インストゥルメンタルのアコースティック・アルバムは以前、サイコデリシャス名義で出しているけど、前がミニ・アルバムだったのに対して今回はフル・アルバム。基本的にはシャケのアコースティック・ギターが鳴っているシンプルな造りで、一部Mtデリシャスのメンバーと三国さんが参加している。

凄くネイチャーな感じなんだけど、それはアリゾナでもゴビ砂漠でもアラスカでもなくて、やっぱ日本で富士山って空気を感じる。荒涼とした風景というよりは、森の中なんだなあ。Mtデリシャスには宇宙っぽい曲もあるけど、このアルバムは地球上の話ってところか。

ロックンロールと違って、聴くときに自分がどんな風景の中にいるかによって響き方が変ると思うなあ。自然の中で聴いてみたい。紅葉と雪の中とでは違う聴こえ方がするのでは。

で、これ、カジノ・ドライヴが終わって、サイコデリシャスに移行しあたりからずーっと思っていたんだけど、書いたことあったっけな?シャケって人生のふり幅というか追求の仕方が極端なんだよなあ。だから世に出た人なんだろう。レッド・ウォーリアーズでロックンロールをやっていた頃(とくに3rdまでの時期)は、ジーパンは26インチのスリムのみ、しかも家の中でもそれを履いていて、もう価値観はロック!世界はロックンロールのみ!『Swingin' Daze』 が分岐点だと思うんだけど、アメリカ在住やらサイケデリックやら諸々諸々を経て、今では自然の中で暮らし、こういったアコースティック・アルバムを作ったりしていると。アメリカの国旗をあしらったステージ・セットで全国ツアーしていた頃には今の姿なんて想像すら出来なかったな。25年前と現在の両極な感じ。そのギャップが系統立て理解できると凄く面白い。

自分が高校生だったときにこんなの出されても、絶対に受けつけなかっただろうけど、年齢のせいもあるのか、「ううむなるほど」と思えるのであった。

なるほど独特な空気感は1コード押しとオープン・チューニングなのか。レギュラー・チューニングやブルース進行とは世界が違うのか。エレキをアコギに持ち替えただけじゃこうならないと思ったら、そういうことか。ポップスのフォーマットは人間界のものでこちらは魔界ってのがわかる気がする。

水と光の魔法水と光の魔法

(2011/11/16)

木暮”shake”武彦

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