ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

Easy悪Rock’n Roll

D'erlanger / a Fabulous Thing in Rose (2010)

デランジェに関しての過去記事はここらへんを読んでネ!!

1990年の解散までに残した曲に再始動後の曲をプラスした、所謂リメイク、セルフカヴァーアルバム。私的に嬉しいのは、ヴォーカルがDizzy時代の『EVERYTHING IS NOTHING』が収録されていることである(厳密に言えば『LA VIE EN ROSE』をはじめ、1stアルバムに入っているいくつかの曲もDizzy時代に原曲が披露されていた)。

後に繁栄するヴィジュアル系バンドの雛形となったKyo加入以降の音楽性がデランジェの圧倒的なイメージだが、私はDizzy時代にこの『EVERYTHING IS NOTHING』などの楽曲を聴いて、「“ヘヴィ・メタルのようでいて、洋楽メタルのコピーでもなくジャパメタとしても企画外品的”な、“ヘンテコな、ブッ壊れたロックンロール”で音源を作ったらどうなるだろう?」と当時夢想していたのだった。しかしそれはDizzyの脱退によって叶わなくなってしまった。

そして再始動後、初期の曲いくつかが音源化されていたが、今回『EVERYTHING IS NOTHING』が陽の目を見たワケだ。このナンバーは、流れ的に一見、無意味そうなパーツが無理矢理挿入されていたりするロック、ポップスのセオリーを無視した曲の展開、積み木を高く積み上げてそれをまたバラバラに崩すような感覚が、当時の曲群の中でひときわ異彩を放っている。Dizzyの歌でこの曲のスタジオ・ヴァージョンを聴きたかったところだが、再始動デランジェで聴けるKyoの歌声は解散前とは段違い、Dizzyにも劣らないほどドスが効いて太いものにビルドアップされていてこれもまた良しといったところか。

こちらも古い曲、Dizzy時代から歌い継がれてきた『SADISTIC EMOTION』はアルバム『LA VIE EN ROSE』ヴァージョンではカットされていたギターソロ前のバラード部分が復活しての収録。この方がメロウな部分があることによってハードな面が引き立つからいいね。

a Fabulous Thing in Rosea Fabulous Thing in Rose

(2010/09/29)

D’ERLANGER

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