田中康夫 / なんとなく、クリスタル
ページの右側が本文、左側のページはすべて、本文の中に登場する1980年代初頭のことを理解するためのキーワードに付けられた注釈が書かれているとゆうトリッキーな作りなので、本文を読んで・・・注釈を読んで・・・本文を読んで・・・といった感じで読み進むことになるため、ヒジョーに気が散る。
で、ためしに本文だけで終わりまで読んでみると、見事に何も無い・・・
空虚だ・・・何だコレ・・・
ただ、当時の風俗・・・主人公はけっこう金を持っていて、美人で東京に住んでいるとゆう設定だが、その周辺の空気とゆうのは的確に捉えている・・・と、思う。
この物語の舞台設定である1980年に我輩は、まだ“青春”とゆうには少し幼いが、物心はついている年齢だった。
子供の視点でだが記憶のある時代だし、日本が元気だった頃のことなので、読んで元気になろう!・・・と思ったら、元気どころかゲンナリしてしまうとゆう・・・
『泉麻人のコラム缶』と並んで、‘80年代に対するネガティヴな感情を穿り返しただけだった。
・ ・・単に、これら2冊ので描かれている“ある程度金を持っている”“大学生”とゆう共通のキーワードアレなだけかもしれないんだけど。
ん~、どうでしょう?
着地点の定まらないまま、おしまい。
なんとなく、クリスタル (新潮文庫) (1985/12) 田中 康夫 商品詳細を見る |