ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

かたつむりサンバ

グレイトフル・デッド / デッド・セット (1981)

Grateful Dead / Dead Set

グレイトフル・デッドのライヴ・アルバムの中で、決して悪いというほどではないが比較的、コアなファンの間での評価が高くない本作。デッドの場合はさらに非公式なライヴ音源も評価の対象になったりするからさらにややこしくなるんだけど・・・

得意のインプロヴィゼーションが控えめで、曲がコンパクトかつ、比較的カッチリとまとまっているからだろうか。たしかに、1969年の名ライヴ盤『ライヴ・デッド(Live Dead)』のように“LP片面で1曲”というような、長尺かつインプロヴゼーション満載といった形の楽曲は収録されていない。

アーティストの活動キャリアが長くなると、音がそれぞれ時代に対応にて変化していくのが分かる。

時代の音を取り入れて成功することもあれば、違和感を感じる場合もある。

'80年代に入って、多くのアーティストの音作りが変わった。前に書いたJ・ガイルズ・バンドイギー・ポップもしかり。

ニュー・ウェーヴにもAORにも罪はないが、あくまで“そういった変化”があったということで・・・

で、この1981年にリリースされた『デッド・セット』も、そのままAORということでもないが、やはり音は‘80年代初期的な音に衣替えしていると思う。

そこで、いつもは「もう少し古めの音が好きなので自分にとってはちょっと・・・」ということになりそうなところだが、少し変わった効能ではあるが気持ちよく聴けるときがある。

夏の夜、特にもう就寝しようというとき、部屋の明かりを落として聴いているとこれがけっこうイイ。

ジェリー・ガルシアのギターがなんとなく涼しげで心地よいのだ。バンドの演奏もしかり。

ガイコツが丘の上からサンフランシスコを眺めているジャケットの絵もイイ。寝ながら聴いていたらジャケは見れないけどね。

このアルバムとの、本来の向き合い方と違うかもしれないが、自分にとってこれがひとつの楽しみ方だ。

ちなみに、このライヴが収録されたのは9月~10月のことらしいので、このアルバム自体と夏という季節は直接リンクしてはいない。

そして、この記事を書いている今日現在、部屋にコンポなり何なりのオーディオ・システムが無い。

音楽はPCで聴いている。

・・・要するに、就寝時、おやすみタイマーでもかけて子守唄代わりに音楽を楽しむ術が無いちゅうワケや。

以前のようにこのアルバムを楽しむのは、少し先のことになりそうや。

まあ今日は、そんなところや。

デッド・セットデッド・セット

(2000/09/06)

グレイトフル・デッド

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