ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

大サンシャイン会

『SOUNDS LIKE SHIT: the story of Hi-STANDARD

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…と、いうわけで、ハイスタの映画を観た!

 

賢明な読者諸君ならお分かりの通り、俺ってハイスタのリスナーだったことはないのね。つうか、そんな俺の話誰も知らないし、お前誰ってところ?

なので彼らのCDを買って聴いたりライヴ行ったりってことはまったく無かったんだけど、リスペクトっていうか人間として興味あるってまた別の話で、かなり外野からの目線だけど90年代なら雑誌のインタビュー、それ以降の3人バラバラになった活動はネット露出とかで、気にしてたのね。俺はずっとCD屋だったから音は自然と入ってくるし。

元々はハードコア聴いてる友達から回ってきた、スナッフ、レザーフェイスといったメロディック・ハードコア…メロコアと略される前のバンドを聴いて、そこに『LAST OF SUNNY DAY』がリリースされて、「日本だとこんなのがキテて」みたいな感じで知ったんだ。

で、映画なんだけど、これすげー面白かったな!面白いって、笑わないけど、苦い部分もある、否、単純にエピソードで数えると苦いシリアスなことの方が多い映画で。起こってることの半分はヒリヒリとした出来事なんだけど、観終わったときの気持ちよさはそれを上回る。

初期の手探りながら、ひとつひとつチャンスをつかんでいく様子、メジャー・レーベル、トイズファクトリーの手助けでブレイクしていく状況とDIY精神との葛藤。NOFX、ファット・マイクとの出会いからFat Wreck Chordsアメリカのインディーズ、DIYな活動への接近、そしてAIR JAM、さらにPIZZA OF DEATH RECORDSの独立!いよいよ本物のDIY!しかもバンドの規模は大変なことになってる!

…ってところで裏側では暗雲が。当時としてはAIR JAM2000以降、ハイスタの活動がぷっつり途切れるまでは順風だと思ってて、その後の情報は断片を繋ぎ合わせると、大変なんだなあとは思ってたけど、あらためて3人の口からまとめて語られると凄かったな。カオス。何?大きな成功にはこーいうの絶対にセットで付いてくんの?みたいな。偶然か必然か、そんな状況とリンクする、ライヴ中の客マナーについてブチ切れるシーンが入ったり。あと横山健氏が精神疾患になった瞬間を語るところで画面にエフェクトがかかるんだよ。うわー来たって感じで。そこからがもう…ハイスタの活動が止まるに至るぐちゃぐちゃ、3人それぞれ離れてからの確執。

 

休止から10年ちょっと経って、震災を受けて日本のためにAIR JAMで復活!というストーリーで認識してたんだけど、難波氏から震災前に元の企画が発案された時点ではまだとんでもなくゴタゴタしてたのか!

そこから現在までの、再生への道…も、常岡氏のメンタルのくだりとか、一筋縄ではいかないんだけど。3人ともタイミングは違えど、みんなメンタルやられてる…

まあとにかく、現在地に着地するまで、こんなにドラマがあるのかっていう展開で、凄かった。仕事終わって最終の回で観たからへたすると眠くなる時間だけどおしまいまでギンギンに目が冴えちゃって、その後も3時ごろまで寝付けなかったよ!それは家に帰ったらなんか冷蔵庫が冷えなくなっちゃって、マジ超困って寝られなかったってのもあるんだけど!外野からバンドを横目で追ってきたぐらいの俺でもすげー良かったから、素晴らしいドキュメンタリー映画でした。監督の梅田航さんて、WRENCHのマネージャーだったのと、カメラマンてっことで映画監督経験なんかなくて、そんでよくこのまとめ方できたなあ。3人のドラマが凄いっていう素材を、見事に編集してた。

 

 

 

 

THE GIFT

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