ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マギーズ・ファーム野茂

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2012/08/31

 

U2 / The Joshua Tree (1987)

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1. Where The Streets Have No Name
2. I Still Haven't Found What I'm Looking For
3. With Or Without You
4. Bullet The Blue Sky
5. Running To Stand Still
6. Red Hill Mining Town
7. In God's Country
8. Trip Through Your Wires
9. One Tree Hill
10. Exit
11. Mothers Of The Disappeared

 

デビュー以来、着実に実力と人気を伸ばしてきたU2の、80年代における完成形がこの『The Joshua Tree』となる。これでもかというくらいに楽曲がハイ・クオリティに仕上がっており、とくにレコード時代でいうA面の充実度は神がっているといってもいいだろう。

前作『The Unforgettable Fire』から引き続きのブライアン・イーノ、ダニエル・ラノワによるプロデュース。彼らの手腕により、独特のアンビエント感と、ロックの血わき肉おどる感覚、その両方をジャストなバランスでパッケージすることに成功している。オープニングを飾る『Where The Streets Have No Name 』を聴いたときのアドレナリン分泌量は、ロック史上でも屈指のものだろう。

80年代後半のU2についてよく言われるのは「アメリカン・ルーツ・ミュージックへの接近」だ。そのスタンスが面白く、本作に伴うツアーの模様を追った映画『Rattle and Hum』で曲中、ヴォーカルのボノがギターのエッジに「ブルースを」と振って、ギター・ソロに入る場面がある。そして、エッジのギターから流れるフレーズは、ブルースと言われて思い浮かぶような旋律ではなく、いつものU2節である。独自のフィルターを通してアメリカ音楽を見つめている、彼らの姿勢が見えるようなシーンがそこにあった。(Jeff Goldsmith)

 

Joshua Tree

Joshua Tree