ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マイ・ファイナル・デイ

大須観音での初詣を終えた私は、今回名古屋でのけっこう大きな目的、大須の商店街徘徊という任務を遂行したのである。

 

以前、大須に来たときは、とくに何も予備知識がなく、観音様の門前町にヤングカジュアルの店が多く混ざっているという程度の印象だった。それがどうも東京の秋葉原、大阪の日本橋に次ぐオタクの街らしいということで、潜入することにした。

 

ここはオタクに特化した街ではなく、アニメやゲームの店があるかと思えば古着屋、パソコンショップの前にタトゥーショップ、オーディオショップがあって呉服店があるし中古レコード屋があるという、カオスな街並みだった。自分の住む関東で例えると、秋葉原と上野アメ横、渋谷か原宿、寺のある観光地として浅草、韓流の店もあったので新大久保と、様々な街の要素が入っていた。それらの雑多なジャンルを混ぜて味噌煮込みにしたような街だ。点在するリサイクルショップのコメ兵には楽器を扱う店舗もあって、かなりの規模で展開していた。

この、オール・イン・ワン信号は、大須が何でも入りの街ということに掛けてあるのだろうか?んなことないか。

オタクの街に潜入といっても、そのジャンルの、実際どこからどこまでが私の守備範囲かというと、ガンプラあたりからボトムズあたりまでと、南は南千住から北は北千住ぐらいしかない。要するにそんなでもない。そんな狭い興味で生きている私なので、じっくり見たのはまんだらけボークス上新電機といったところ。大阪のまんだらけでは80年代のガンプラ本を買ったが今回は収穫なし。ボークスと上新は中古の店と違い、地方での一期一会はないので最初から商品の購入ではなく見学が目的だった。名古屋で買うようなものはまんだらけぐらいにしかないと思っていたら、もう名古屋を離れたというときになってトイズキングなどもあることに気付いた。その名前と、名古屋にあることは前からなんとなく知っていたが、旅の中ではすっかり忘れていた。いつかリベンジできるだろうか。他に中古プラモや関連書籍のある店をしっている方、教えて。

プラモ関係の店を巡り終わって歩いていると、招き猫の広場からなにやら歌声と歓声が聞こえてきた。近づくとアイドルグループがライヴをやっていた。周りにいるのは通りすがりの買い物客だけでなく、かなりの数、固定ファンがいて、コールが商店街のアーケード内に響き渡り、何本かサイリウムが振られている。ひと目でそれと分かるファンに混じって、ヤンキーの出来損ないのような格好をした男子も大声でコールしていた。それがカオスの街大須クオリティなのだろうか?現場ではよく分からなかったが、後で調べてみると歌っていたのはO☆SUって、なんだご当地アイドルじゃないか。予期せぬところで大須カルチャーの洗礼を受けてしまった。

最後までライヴを観てみたい気もしたが、今夜の私にはもうひとつのミッションが残されていた。実はひとつどころではなく、当初の計画だと周遊バスを駆使して名古屋城などいろいろ回るはずだった。ところが若干食事に手間取ったのと、予想より大須の見応えがあったっため、日が暮れて名古屋城はあきらめた。

大須を後にして次の目的地へと向かう。