ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

トーキョー・バビロン

清史祭り(Kiyoshi & shake with Friends)@heaven'sRock さいたま新都心

  

さいたま新都心の“heaven'sRock”で、キヨシのライヴを観たのであった。今では北海道の人となったレッド・ウォーリアーズのキヨシが上京し、ゆかりのある皆と集まってライヴをやろうというもの。どうだったかっつうと、結果、行ってよかったね。 これが。

プノンペン

トップバッターはキヨシがレッズ結成以前に組んでいたバンド、プノンペン。もちろんキヨシがベースを弾いている。過去のパーソナル・インタビューやレッズのヒストリー本の中でで文字情報としては何度となく登場していたが、まさか2011年になってこのバンドのライヴを観ることになろうとは。キヨシ以外のメンバーにも声援が飛んでいたということは、地元の友達も多く来ていたのか?そしてレパートリーはすべて30年くらい前の楽曲だったのだろうか。音は、すげー“上尾ロック”って感じだったな。

■ONEPERCENTRES 

2番手のONEPERCENTRESはエモっぽい曲で英語詞、このイベント中、毛色が違うバンドだったけど。これがけっこう良かった。どの曲もポップでハツラツとした感じのステージ。終盤、ヴォーカルの人が持つギターのトラブルで間が空いたとき、ステージに残ったメンバーのMCで、会場の温度は保たれた。というか、アウェイな環境の中で逆に会場が暖まった。えーっと、何だっけ?キヨシがKiyoshi with Friendsで活動していたときに関係したメンバーがいるんだっけ?

木暮"shake"武彦 

 シャケは三国さんと登場。アコースティック・ギターとキーボードで、先日発売したアルバム、『水と光の魔法』からのナンバーをプレイした。「盛り上がらなくていいからじっくり聴いて」というシャケの言葉どおり、静かな演奏で世界観を構築していくんだけど、ただ単に癒しの音楽なのではなく、シャケのギターと三国さんのキーボードが複雑に絡んだり、1コード、2コードで弾いたギターのフレーズをループさせて、その上にまたギターを被せて弾いたりと、トリッキーで目を離せない一面も見せていた。

■Kiyoshi with Friends 

キヨシがギター&ヴォーカルで、唯一のソロ・アルバム、『今。』からのナンバーを含めたステージ。本人も意識していないだろうし、直接的に似ているわけではないんだけど、なんかザ・バンドなんだよね。オープン・エアな感じとかがなのかな。レッズ活動当時から自然派、旅好きロッカーとしての顔を覗かせていたキヨシだけど、1992年のアルバム発売当時と違って、今では北海道に住んで大自然の中、ペンションを営んだりカヌーに乗って暮らしているというバック・グラウンドが見えるから、音の響き方が心なしか違うんだなあ。楽曲が持つスケールの大きさが効いている感じで。 そんな中、てらちんのベースだけは、ゴリゴリ、ブリブリと主張しているのが面白かった。

そしてラストはキヨシ、シャケ、三国さんによるアコースティック・セッション。と、いっても、三国さんは電子楽器だし、キヨシはエレキ・ベースなんだけど。その三人で、レッズ・ナンバーを演奏して締めた。正直、再結成レッズが活動していたときにライヴ中盤でやっていたアコースティック・コーナーはあまり楽しめなかったんだけど、「現在レッズは売れたり売れなかったり喧嘩したりしながらコンスタントに活動しているわけではなく、皆の心の中にある」という気構えというか心持ちが違うからか、今回のは良かった。シャケがヴォーカルをとって『Old Fashioned Avenue』や『ルシアン・ヒルの上で』、大胆にブルース・アレンジされた『Never Give Up』等を演奏。そしてキヨシが歌う『Lady Blue』なんてレアなものも聴けて最高だった。

 

ヒネリのない表現で申し訳ないが、ラストまで観てみると、キヨシの人柄を反映してか、心温まるライヴ・イベントだった。たまーーーーーにでいいので、また機会があったらこういった企画をやってほしいと思った。たまーーーにがいいんだよね。

 

四万十川をカヌーで下る、“四万十塾”のステッカーを購入。キヨシにサインしてもらったのであった。

今。今。

(1992/11/28)

小川清史

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