ザ・バンド / 南十字星
The Band / Northern Lights-Southern Cross (1975)
子供の頃は、夏が終るのがとても寂しかった。海やプール、花火などのイベントがあったからだろうか。ただ単に、８月末で夏休みが終ってしまい、９月１日から、また学校に行かなくてはいけないからのような気もするが。
ただ、まだ夏休みというものを過ごせる、中学3年生のときに、突如として「あ、秋もいいかも」と思ったのを今でも覚えている。なぜその年だったのかは分からない。空がスコンと高くなり、空気が変わったそのとき、突然魅力的に感じた。
紅葉とか、夕焼けとか、ススキとか・・・まあ子供の頃にも視界の端、コメカミのあたりで何かしら感じていたのだけれども・・・そういった秋の風景に対してはここ10年ぐらいでさらにガンとくるようになってしまった。あ、あと、洋服屋の店頭に、ネルシャツなどが沢山並んで彩りが変わるとなんか楽しい。あの感覚は何なのだろう。
・・・というワケで（どーいうわけだよ？）、ザ・バンドだ。べつに本人達は、秋に聴かせるために作ってはいないだろう。でも何故か聴きたくなる。この『南十字星（Northern Lights-Southern Cross）』だと、『同じことさ！（Rags And Bones）』あたりが、いい。スローなテンポで流れてゆく曲の後半、ストリングスを従えてな泣いているギター、さらに、そこへ被せてくるサックスと、哀愁感がたまらん。
 | 南十字星
(2008/12/10) ザ・バンド |
