ZIGGY / NICE & EAZY (1989)
バンドの人気が上昇中に出た3rdで、メジャーレーベルならではの豪華さか、ホーンやストリングスが使われていたりアレンジも凝った曲が多いが、いかんせん企画倒れっぽいというか、曲自体のパワー不足の感があって、聴き倒した前2作(『ZIGGY - IN WITH THE TIMES 』『HOT LIPS』)よりは、当時あまり聴かなかった。
アマ時代からのストック曲がなくなって全曲が書き下ろしになったのがかなり影響していると思われる。
アマ、インディーズでキャリアのあるバンドがデビューすると、アマ時代のストック曲がなくなった時点がバンドの力の見せ所で、ここで立ち直れなくなる場合がかなり多い。
アレンジ、録音技術、サポート楽器など諸々注ぎ込んでも元曲のパワーが追いつかないとゆうか。
メジャーの世界で求められる曲作りのペースとか、毎週毎週、スタジオに入ってせーので音を出し、練習を繰り返し曲を練っていたのが、レコーディングが進みながら曲の全影が見えてくるみたいな工程が多くなるのが影響すると思われ。
ZIGGYはどうだったかというと、ご存知のとおり、この後になぜが2ndからシングルカットされた『GLOLIA』の大ヒットでお茶の間レベルまでブレイク、それを経てバッド・ボーイズ路線での最高傑作『KOOL KIZZ』を発表し、“書き下ろしの壁”は乗り越えたのであった。
さらにその後の紆余曲折も凄いけど。
で、このアルバムであるが、シングルの2曲、『ONE NIGHT STAND』と『SING MY SONG』が出来としては突出している。
『ONE NIGHT STAND』は森重氏メロとしては平均点ぐらいの感じもするが、戸城氏作曲の『SING MY SONG』のコード進行、歌メロの開放感がとにかく素晴らしい。
アタマから終わりまで、メーター振りきったみたいな開放感でいっぱい。
マツキヨの店内照明、さらに3倍ぐらいの眩しさの光の中にいるようだ・・・
って、なんつう例えだ・・・