『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。
入稿 2012/09/18
The Velvet Underground / White Light/White Heat (1968)
1. White Light/White Heat
2. The Gift
3. Lady Godiva's Operation
4. Here She Comes Now
5. I Heard Her Call My Name
6. Sister Ray
デビュー・アルバム『The Velvet Underground and Nico』をプロデュースしていたアンディ・ウォーホルが手を引き、彼の推しによりシンガーとして参加したニコも去った、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの二作目『White Light/White Heat』。このアルバムはバンド史上、最も凶暴な、ノイズまみれの作品となった。
ノイジーなサウンドの多用は、ジョン・ケイルによるもの。バンドは、ウォーホルがいなくなったことでジョン・ケイルとルー・リードの音楽的対立構造が明確に出ることとなる。その二人の主張がぶつかり合って、まさに火花が散るようなテンションが詰め込まれた作品が仕上がった。人間同士の摩擦と音のノイズ係数が比例して大きくなり、強烈な光を放っているのだ。
前作も十分に前衛的だったが、本作はギターのフィードバック・ノイズと反復するビートで、さらにフリーキーな世界が展開されている。その最たるものが、アルバムのラストに収められた『Sister Ray』。18分近くに及ぶ、ホワイト・ノイズの終わりなき行進は、この上なく暴力的。そして何故か、中毒性をともなったポップさも兼ね備えている奇曲だ。
集団創作の掟なのか、マックスの緊張感で、この上なく危険なアルバムを作ったジョン・ケイルは、ルー・リードとの対立が深刻化。本作を最後にバンドを去ってしまった。(Jeff Goldsmith)
- アーティスト: The Velvet Underground
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