Mahavishnu Orchestra / Original Album Classics (2010)
「これについては後ほど」とか言いながら、長い間放置してしまった、マハ…マハヴィシュ…マハビ庶務二…マハヴィシュヌ・オーケストラである。舌噛みそう…つうか、タイピングなんだから噛むわけないじゃん。
入手したのは、アルバム5枚組みのやつだよ。
中心人物のジョン・マクラフリンは、マイルス・デイビスの『ビッチズ・ブリュー』とか『オン・ザ・コーナー』とか、マイルスが電化するにあたっての重要アルバムでギター弾いてんので、ジャズの歴史上においても重要なギター・パートを録音してきた人手あーりますね。って、そこから書けばいいのか?第一期メンバーに名を連ねているヤン・ハマーはジェフ・ベックとやったりしてる。
ジョン・マクラフリンのギターは、『ビッチズ・ブリュー』の中だと、マイルスの描いた抽象画に色を着けていく感じで、『オン・ザ・コーナー』ではミニマルなビートの中で延々と、一定のテンションを保って弾いているんだけど、こちら、自分のバンドではかなり弾きまくりというか、これが本領発揮つうところなのかね。そんでもって他のメンバー全員がテクニシャンなので、音の密度がもうとんでもないことに。
マハヴィシュヌ・オーケストラは、ジャズ/フュージョンの枠でも聴かれるし、ジャズ・ロックやプログレとしても語られ、比較対照としてキング・クリムゾンの名前がよく挙がる。どちらも高度な演奏技術を持つバンドなんだけど、クリムゾンは思想というか、とくに初期は内面の葛藤に突き動かされている面がある。それに対しマハヴィシュヌ・オーケストラは、クリムゾンのような“途方に暮れている感”はなくて、もっと演奏自体に寄った表現なんだよね。つうか、ほとんどがインストだし。
技術的にはさすがというか、もうまいったとしか言いようがなくて、ハードに畳み掛けてくる曲なんかは、脳の回転が3倍速になっちゃた見たいな、そんな演奏を聴かせてくれるのであーります。
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(2010/04/23) Mahavishnu Orchestra |