『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。
入稿 2012/06/05
1. Carmen
2. Lion
3. Stranger In Town
4. Angel Don't Cry
5. How Does It Feel
6. Endless
7. Isolation
8. Mr. Friendly
9. Change Of Heart
10. Holyanna
TOTOは、音楽のジャンルとしては、AORにカテゴライズされることが多い。この『Isolation』は、そんなTOTOによる、ハード・ロック・アルバムといったところか。全体的に、パワフルでストレートなナンバーが並ぶ。跳ねる16ビートのイメージが強いTOTOだが、シングル曲の『Stranger In Town』をはじめとして、このアルバムではストレートな8ビートの方が前に出ている。
ハード・ロックといっても、そこはTOTOなので、暑苦しさはなく、ハードな曲の中にも涼しげな風が吹いている。最近でいうところのドライ系シャツを着ているような感覚とでも例えられようか。アップでハードな曲が多いということで、スティーヴ・ルカサーのギターは、ここぞとばかりにスーパー・テクニックを押し出すことも出来るだろうが、あえてツボを押さえたコンパクトなプレイに徹している。
TOTOとしては異色ともいえる、ハイ・トーン直球一本勝負のヴォーカリスト、ファーギー・フレデリクセンを配したラインナップは短命に終わってしまったが、こんな作風もまた、ひとつの魅力として、もっと評価されていい作品だと思う。(Jeff Goldsmith)