ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

(谷)

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

入稿 2011/09/15

 

Pavement / Crooked Rain, Crooked Rain (1994)

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1. Silence Kit
2. Elevate Me Later
3. Stop Breathin'
4. Cut Your Hair
5. Newark Wilder
6. Unfair
7. Gold Soundz
8. 5-4=Unity
9. Range Life
10. Heaven Is A truck
11. Hit the Plane Down
12. Filmore Jive

 

本作はアメリカン・オルタナティヴ・シーンから届いた強力な不発弾であった。ローファイの本質を突いた作品。ロックから背骨を抜いて、ぐにゃぐにゃのヘロヘロにしてしまった、まさに骨抜きロック・アルバムである。

もちろんいい意味で。

このアルバムにおいてペイヴメントの中心人物、スティーヴン・マルクマスは、難易度の高いトライアルに挑戦したのであった。使用楽器はロックのフォーマットに則ったもので、メロディや楽曲の輪郭ははっきりとしている。しかし、そこからマッチョなロック的カタルシスを取り除いてしまい、アンチ・ロック的なアルバムを作り出すことに成功している。

あくまでロックの土俵上で、ロックを否定しているのだ。鳴っている音は雑巾を絞る音や料理を作っている音ではなく、当たり前だがギターやベースやドラムの音である。ロックだけどロックじゃない。そんな姿勢を明確に打ち出す意思は、見事にロックしている。(Jeff Goldsmith)

 

 

Crooked Rain Crooked Rain: La's Desert Origins

Crooked Rain Crooked Rain: La's Desert Origins