ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マザー・ヘッズ・ファミリー・リユニオン

1月2日。京都、金沢青春18きっぷの旅は2日目の朝を迎えた。

1日目の模様はこちら

京都での朝は、午前6時ごろ目が覚めた。相部屋になった彼は、まだ眠っているようだ。眠いっちゃ眠いけど、旅のテンションだと早く目覚めるものですね。

トイレから戻ると、青年も起きた。そして彼は言った。「雨、降ってますね」

ええ?!がーん!言われるまで気付かなかった。窓を開けると、たしかに降っている。しかも、けっこう強く。雨かよ…京都。

私は午前中いっぱい京都観光だが、朝のうちに四国へ立つ青年は、急いで身支度をしていた。そして準備が済むと、彼は風のように去っていった。私はとっさに言葉を探し、「よい旅を」と挨拶した。彼も「よい旅を」と返した。旅先で偶然出会い、互いの名前も知らずに一晩、同じ部屋で眠り、彼は四国、私は金沢へ旅立つ。「よい旅を」ううん、旅の、安宿の醍醐味。相部屋もいいね。いいね、京都。いいね、18きっぷ

青年を見送った後、私も荷物をまとめ、いつでも出発できる体制を整えた。そして、チェックアウトする前に、傘をさしてで宿の近所にある、すき家に出向き牛皿定食を食らって朝食とした。

つうか、この画像、載せる必要あんのか?すき家は日本全国、何処へ行ってもすき家である。

朝食後、チェックアウト。出際に、宿のオーナーは「いってらっしゃい」と送ってくれた。「いってらっしゃい」とか言われると、チェックアウトではなく、また帰ってくるみたいで、勘違いされているのかと不安になり、思わず「清算はネット予約のときに済んでるんでしたっけ??」と聞いてしまった。オーナーはもちろん「はい、済んでますよ」と答えた。「いってらっしゃい」は、まあそーいう挨拶なんでありますね。「京都観光にいってらっしゃい」

観光とか18きっぷとかにあまり関係ないんだけどさあ…宿から西大路の駅に向かう途中に、模型メーカー“ボークス”の本社ビルがあった。でっかいビルで驚いた。

西大路からひと駅、京都に着いたら晴れた!!と、言いたいところだが、この後、青空が広がったと思ったらまた雨。と、目まぐるしく変る天気が午前中いっぱい続き、傘をたたんだり開いたり忙しかった。そして、あまりに傘の開閉が頻繁なので、操作に邪魔な手袋をずっとはめておくことが出来ず、無防備な私の手は悴んだ。

東本願寺。の、御影堂は改修工事中でチョバムアーマー仕様…

西本願寺へ。ん?こっちの御影堂はこれでいいの?この白いのは、この状態が完成??

京都タワー内にある書店で京都のガイドブックを立ち読み。ううん…昼食までにあと一箇所観ることができそうだ。しかし、あまり遠くまでは行けない。どうしよう…東寺か。東寺五重塔を観に行くか。バスの乗り場とか時刻とか調べるの、めんどくさい。つうか運賃もったいない。徒歩だ。歩いて行ってしまおう。でも…脚、疲れてるなあ。

徒歩で東寺へ!晴れたり降ったり曇ったりの空に聳え立つ、五重塔を見上げる。脚、痛いよ。

出発前、京都駅ビル内で『鶏キャベツ』を喰らう。とくに京都名物じゃなけど。美味かった。美味かったんだよ。

13:45 京都発 JR湖西・北陸線下り 新快速 敦賀行き 新快速 15:15着

京都を立ち、琵琶湖沿いを北西へ。右手に琵琶湖、左手に雪山という風景が広がっており、見入ったりカメラで撮ったり、眠っていられない。

すると、「強風のため只今、運転見合わせ…」とアナウンスがあり、列車は停止してしまった。

「なんだよもう!これから金沢行くんだから、俺がネット検索した予定通り動けよ!風がなんだ!強風がなんだ!」と、一瞬思ったが、停止した列車の外では、風が轟々と唸りをあげていた。まあこりゃ走れませんね。無理言ってごめんちゃい。

数分間停車した後、前の状況が開けるのを待った列車は、通常より速度を落として走り出した。

16:11 敦賀発 JR湖西・北陸線下り 普通 金沢行き 18:33着

乗り換えの敦賀駅では、少し待ち合わせの時間があったので、駅の外に出てみた。港町だが、駅から海は見えなかった。港まで1kmくらいあるか。寒々とした空気の中で、私は缶コーヒーを1本買ってグビリと飲んだ。いやべつに、今飲まなくてもいいんだけど、雰囲気雰囲気!演出だよ。

てんこ盛りに盛られた雪かきの雪。そして敦賀は『宇宙戦艦ヤマト』と『銀河鉄道999』の街。ということで、999が描かれたバスが走っていた。缶コーヒーを飲み終えた私は、駅に戻り、再び惑星アンドロメダを目指し出発した。

2日目の目的地、金沢に到着。京都駅はメガトン凄かったが、金沢駅もけっこう凄い。かっけぇ!“もてなしドーム”がもてなしてくれる。凄いぜ、金沢。

駅が凄いのはいいが、天候も凄い。ちょうど到着時には雨だか雪だか鼻水だか分らないような土砂降り。プリントアウトしてきた宿までの地図は、開いて数秒でシオシオシワシワになる。早く宿に着かなくてはと、焦れば焦るほど、駅から近いはずのホテルが見つからず、仕方なく駅ビル駐車場の警備員に道を尋ねる。それでも道がよく分らず、結局ホテルに電話して、そのままナビをしてもらいながらなんとかチェックインした。つうか、駅からそんなに離れてなかったよ。ホントに。

とりあえず、ホテルの部屋に入って荷物を下ろし、一息つく。金沢駅の付近で最安値の部屋、プランを選んだが、フツーのビジネスホテルで、タオル、浴衣、歯ブラシ、ドライヤーなど基本的な備品は揃っておりとくに不足はない。私は部屋備え付けのお茶を飲みながら思った。今朝、相部屋の旅もいいなとか言ってた舌の根も乾かないうちに言いますが…

いやー個室って最高。激リラックス!!ゲット・ザ・プライバシー!!

部屋に入りしばし休憩の後、夕食を求めて外に出た。駅ビルの飲食店街に突入しようとしたところ、入り口で「お客様…」と、係員に手で制された。髭も剃っていないし、昨日は風呂にも入っていないからって、何たる仕打ちかと思ったが、なんと駅ビルは正月仕様の営業時間で、どの店も20時に閉店してしまうのであった。そうかい。遅くにチェックインする観光客に優しくないってわけかい。そう、ここでも、俺の居場所は…ない。

駅前のファッションビルはまだ開いていたが、ここで地元名産チックでない夕食を食べるのはなんだか悔しくて、雨も弱まってきた夜の大通りを、大江町市場まで歩くことにした。

北陸の夜、凍てついた空気にさらされながら大江町市場にたどり着いた私であるが、そう、読者諸君の期待通り、大江町市場の商店は皆、正月休みに入っており、市場はどこも真っ暗だったのである。かろうじて再開発時に建てられた“大江町いちば館”内の数店舗は営業しており、私はその中の一軒に駆け込んだ。

 

とりあえず無難というか定番というか、『海鮮丼』を喰らう。それは美味しゅうございましたが、「たんぱく質だけでなく、野菜も食わなくちゃ」と思って頼んだサラダは、居酒屋仕様、居酒屋価格的なもので、何処でも食えるようなサラダに600いくらも出してしまったのを後悔した。まあそれは店が悪いわけではなく、酒を飲むところでもあるし、そーいうものなので仕方がない。居酒屋のメニューって、素面て食うと割高よね。

食事の後、ホテルに戻り、風呂に入る。部屋の風呂ではなく、大浴場に行った。前日は入れなかった風呂に、脚を伸ばして入る。最安値プランで、ここまでしてもらえれば満足である。

大浴場から部屋に戻った私は、浴衣に着替えてベッドに潜り込んだ。「明日はどうやって何処を回って、何をどうしよう?」と考えているうちに眠りの中へと落ち、旅の2日目が終わった。

旅は3日目へと続く。

おとなの青春18きっぷの旅 2012年冬季編 2012年 01月号 [雑誌]おとなの青春18きっぷの旅 2012年冬季編 2012年 01月号 [雑誌]

(2011/11/17)

不明

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