鼓童 / モンド・ヘッド (2001)
Kodo / Mond Head
佐渡島の和太鼓アーティスト集団、“鼓童”。この20周年アルバムでは、世界各地、様々なジャンルのミュージシャンとコラボレーション、そしてプロデューサーにはグレイトフル・デッドのミッキー・ハートを迎え、他にはない世界を作り出している。
ルーツの違う、異種格闘技的なコラボレーションは面白いこともあれば、意外と「ソースカツ丼のソースとカツとキャベツと飯の味がバラバラだ・・・」とか、「露店のチョコバナナが凄く美味しそうに見えて、食べてみたらチョコとバナナを食っている以上のマジックは生まれていなかった・・・」(両方とも体験談)・・・というようなつまらないモノが出来上がってしまうことも多々ある。
しかしこのアルバムでは、ジャム・セッションの高揚感で観客を魅了することを信条とするデッドのミッキー・ハートの手腕なのか、様々な国の音楽、その特色を活かしつつ絶妙なバランスで融合させ、見事な多国籍グルーヴが発生している。
各パート、ひとつひとつの楽器を聴けば、どこの何とどれを一緒に演奏しているというのは出てくるが、出来上がった曲はどこの国の何ともつかない独特の新しい雰囲気が聴こえてくる。
各国の民俗音楽は、音階も違えば拍のとり方も違ったりする。 このセッションではその違いを乗り越えてか、逆にそれがあってこそか、水と油が混ざってゆくようにリズムの交感が行われているようだ。
拍といえば、何年か前になるが、『SMAP×SMAP』の番組中、生放送スタジオ・ライヴ形式で名曲『世界に一つだけの花』を歌ったところ、客席が思い切り“頭打ち”の手拍子を叩き始めて、テレビの前で観ていてズッコケてしまった。
ロックなどの“裏打ち”リズムが、日本的な“頭打ち”リズムよりエラいとゆうことではなくて、「この場合はそっちじゃないだろ」ってゆう・・・もみ手はマズいだろ。
ipodだ着ウタだ、フェスだクラブだ、オシャレなアゴヒゲが生えているだ、H&Mだアバクロだ(この件のときはまだ日本に出店してなかったけどね)といっても、ディープ・パープルの『ライヴ・イン・ジャパン(’72年)』で『スモーク・オン・ザ・ウォーター』が始まったら客席が頭打ちの手拍子を始めて、リッチー・ブラックモアが、拍子の裏表を手拍子に合わせてわざわざリフを弾き直したときから何十年経って状況は変わっていないのだ。
リズム・マスターへの道は遠い・・・
ってゆう着地点でイイですか?今日は。
モンド・ヘッド
(2001/10/11) |