ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

夏の涙はレイン・レイン・レイン

ザ・ザ / ダスク (1992)

The The / Dusk

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マット・ジョンソン、ザ・ザはどうも不思議な立ち位置にいるアーティストだ。

・・・と、思っているのって私だけ?

あ、どうもみんなザ・ザをちゃんと分かってるっぽいな・・・

分かってないのは私だけ・・・

クソぅ、まるで、自分以外の全員が実はナビスコのリッツにいろんな食材を載せて毎週パーティーを開いていたって感じだぜ。

この『ダスク(Dusk)』、私だって昨日今日、聴いたワケじゃないのだ。

1992年リリースで、中古で買ったんだけど、それでもたしか15年は聴いていると思う。

『インフェクテッド(Infected)』辺りからリアル・タイムで追っていないと、ザ・ザの正確な像は掴めないのだろうか。

ダウナーで音数の少ない演奏に乗って、マット・ジョンソンが語りかけるように歌う。

クールな音作りとは当初から感じていたが、今回何か書こうと思ってじっくり聴いてみたら、アコースティック・ギターの割合が高いと今更気付いた。ライナーに楽曲ごとのクレジットが書いてあるが、アコースティックは全てマット・ジョンソンが弾いている。そして、ジョニー・マーのエレキ・ギターは空間を埋め尽くすのではなく、隙間を活かした演出をしている。

そんな、ともすれば非ロック的な音になるところを、ザ・ザの音楽は私の耳にずっと揺るがざるロックとして入ってきていた。それはやはりマット・ジョンソンの歌が持つ、メッセージ性故だろうか?

(具体的なメッセージは対訳読まないと分からないけど。しかも高校のとき、全教科総合学年ビリッケツを獲得した私には対訳があっても怪しい)

マット・ジョンソンは欲望、孤独、悲しみを歌う。

「みんな世界の何かがおかしいと知っているけど、自分の中に何が起こっているのか僕には分からない」と歌う。

しかし彼の歌には希望がある。アルバム最後の『孤独な惑星(Lonely Planet)』にはとくに力強いメッセージがこめられている。アルバムの大団円とともにその歌声は天空にでも駆け上がって行くようだ。

そんな熱さが、この静かな作品をロック的な手触りにしているのだろう。

・・・とかなんとか、やっとこさ『ダスク』について書いてみましたが、やっぱザ・ザは難しいですね。

じゃあ何故、書きにくいディスクを無理にでも書くかとゆうと、中学、高校でお勉強をサボっていた負債を今さら返済しようとしているっつうか、国語のリハビリを兼ねてなんですけど、やっぱ今から遅れを取り戻すのは無理のようダズ。

言葉にしようとすると難しいけど、『ダスク』は好きなアルバムですよ。

ダスクダスク

(2002/08/21)

THE THEマット・ジョンソン

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