ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マギーズ・ファーム野茂

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2012/11/25

 

AC/DC / Live At River Plate (2012)

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disc:1
1. Rock N Roll Train
2. Hell Ain't A Bad Place To Be
3. Back In Black
4. Big Jack
5. Dirty Deeds Done Dirt Cheap
6. Shot Down In Flames
7. Thunderstruck
8. Black Ice
9. The Jack
10. Hells Bells
disc:2
1. Shoot To Thrill
2. War Machine
3. Dog Eat Dog
4. You Shook Me All Night Long
5. T.N.T.
6. Whole Lotta Rosie
7. Let There Be Rock
8. Highway To Hell
9. For Those About To Rock (We Salute You)

 

AC/DCのライヴ盤としては、1992年の『Live』から20年ぶりとなる作品が本作『Live At River Plate』である。ここに収められたアルゼンチンのリヴァー・プレートスタジアム公演を含む『Black Ice World Tour』で彼らは来日を果たしたので、日本のファンにとっては感慨ひとしおのアルバムだろう。

20年の間にラインナップに変更があった。『Live』でドラムを叩いていたクリス・スレイドに代わって、1983年に一旦バンドを去ったフィル・ラッドが復帰している。

前のライヴ・アルバムとの時差がまったく感じられないほど、イメージ通りのAC/DC像が修められている。枯れるでも円熟でもなく、若ぶっているでもなく、ただただゴツゴツとした肌触りの、スケールの大きいロックンロールが、岩のように転がっている。

ライヴ・アルバムということで、身体に興奮剤を打つようなキケンなギター・リフによって、狂乱状態にある観客の歓声も克明に実況収録。オープニング・ナンバー『Rock 'N Roll Train』ではブライアン・ジョンソンの歌を待たずして、イントロに合わせて会場全体がサビのフレーズを合唱し始める盛り上がり様。他にも『The Jack』の曲中で歓声が上がると「今、アンガス・ヤングがストリップを始めたんだな」とか、『Let There Be Rock』で声援が大きくなると「アンガスの乗った中央ステージが上昇して、そこで暴れながらギター・ソロをキメているな。紙吹雪が舞っていよいよライヴのクライマックスだ」とか、目に浮かぶようで実に楽しい。

こういった、場内の音を聴いていると、ライヴ盤を出す意義というものをあらためて認識する。観客の声というのも作品の重要な要素なのだ。(Jeff Goldsmith)

 

 

Live at River Plate

Live at River Plate