部屋で使っている木製の椅子がギシギシいって、いつ分解するかという状態になってしまった。
壊れる前に新調しなくては。
アレだな。IKEAって店はどうもオシャレだな。
来ている客もオシャレだな。
タイトなトックリセーター着て、ハンチング被って小さな子供を連れている若夫婦ばかりじゃないか。
売ってる商品もオシャレだな。右を見ても左を見ても、洒落たドラマのセットみたいだぜ。
俺が買うべきもの、俺の部屋に納まるべきものがひっっっっっっっっっっっっ…
っっっっ
っっっっ
っっっっ
…っっっっっっっっっっっっっっっっとつもなくってびっくりしたぜ。
一番安い折りたたみ椅子が980円だったんだけど、座って少し揺らしてみたらパイプが細すぎて脚がギシギシいってるから、これじゃ今持ってるのと同じだと思って止めた。
欲しい商品の在庫を取ってから会計するまでのシステムもなんか特殊で腰が引けるぜ。
でも大丈夫。だって…何も買わなかったんですもの。
会計を出たところに、「お前ら一網打尽!」とばかりに軽食を食べるスペースがあるのな。 ホットドッグとか美味そうだな…ホットドッグ…
ウっ!!…ドリンクバー70円。
この広大な売り場の中で唯一、そうたったひとつ、俺との接点が。
「自宅インテリアのセンスが追いつかなくて、何も買わずに出てきて、飲み物は何倍飲んでも70円だから飲んでる」とは周りに悟られないように、いかにも「オシャレな部屋に入れる大きい家具を買って配送手続きを済ませ、トーレ・ヨハンソン・プロデュースのスウェディッシュ・ポップを鼻歌で口ずさみながら優雅にお茶してる」といったテイで演技してペプシネックス2杯とホットティー1杯を飲んだ。いくら飲み放題だからといって、3杯が限界だった…
さっき見た椅子と同じ価格(990円)のパイプ椅子をニトリで買って帰った。
そう、君は君で、君のロックンロールを鳴らせばいい。
鳴らせばいいのさ。
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(2008/07/26) 北欧スタイル編集部 |
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(2010/09/17) 不明 |