ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

泣きたくてsmile for you

LUNA SEA / MOTHER (1994)

 

きょうびまでこのバンドをちゃんと聴くことを避けてきたのは、年齢が同じってのがデカいのかなあ。自分の中でジャパメタ周辺の時間軸って、自分が10代から20代になるあたり、純粋な(?)メタルが活気付いていた時期の終焉と、ヴィジュアル系の黎明期がクロスしているところで一度終わっているんだよね。Xデランジェデッド・エンドとかまで。だから1990年代のヴィジュアル系ブームは聴く範疇外だった。範疇外なんだけど、系譜がメタルから引き継がれているので取り扱っている媒体も同じだし、主要バンドのことは外から見てシーンの概要はだいたいの幹事で分っていた。

あとルナシーって、メンバーのほとんどが自分と同じ学年だから、“ロック=アニキ説”を持っている自分としてはそりゃ聴かないよね。ましてや自分が20代のときには聴かないよなあ。

今回ちゃんと聴く以前にも、町田のライヴハウスから出てきた5人組の、成り上がり感はずっとスゲーっと思っていた。成り上がり感ってのはいい意味で。中学とか高校が同じ2,3バンドから選抜メンバーが集まって、それがメガ・セールスとか東京ドームとかって、奇跡的な確率の出会いなのだ。

1990年代にテレビの歌番組から流れてきていたシングル曲のイメージだけでは見えて(聴こえて)こなかった部分、SUGIZOフランク・ザッパやらスティーヴ・ヴァイやらミック・カーンを好きだって事実も、アルバム収録曲を通して聴くとなーるほどって分る。外野から公約数の大きい媒体を介して見ると、ナルシズムと高速8ビートが前に出たイメージだけで捉えてしまうので、アルバム収録曲のバリエーションで聴かないと誤解が大きいんだなあ。

そういった部分が誤解されるのは、RYUICHIのヴォーカルから発せられるナルシズムがネックだと思うんだな。聴かない人からするとそれが最大のネックで、でもそれはバンドにとって最大の魅力でもあるわけだ。これが他の歌い手だったら、「じゃあべつにルナシーじゃなくていいじゃん」と。アクセプトがさあ、「本格ジャーマン・メタルで、曲はいいけどヴォーカルが悪声だねえ」って、ウド・ダークシュナイダーが抜けたら「それ、アクセプトでいる意味ないじゃん!」って、例え合ってる?違うか。だからこの5人つーのはすげー正しい。

ルナシーとは同世代だから、アルバム発表の年と、そのとき自分が何歳だったかを考えてじっくり聴くと、やっぱその音は圧倒的な感じはする。

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(2007/12/05)

LUNA SEA

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