ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

ラヴリー・レイナ 『echo』(2020)

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ラヴリー・レイナのソロアルバムが出た!

ラヴリー・レイナといえば、俺はまずMt.Delicious で知って、その後原始神母木暮"shake”武彦withBigMountainBlue と聴いて、観てきたのね。

3つとも木暮"shake”武彦との活動で、シャケと一緒にやる限りはシャケがコンポーザー。つまり方向性はシャケが作る楽曲に委ねるわけ。そして原始神母に関してはピンク・フロイドのトリビュートバンドだから、ラヴリー・レイナ自身の音楽性っていうのはベールに包まれていた。

しかもどのバンドでも、ラヴリー・レイナは主にスキャットで歌っている。字にすると「Ah~♪」や「Uh~♪」だったり、歌詞を歌うのも主旋律を歌う人に対しハモりとしてだったりするので、ソロ曲ってのはますます想像つかなかった。

まあ、4ピースとかでロックのバンドサウンドではないなってのは予想できたけど。

そしたらねーーー、ピアノと歌だけのデュオだったよ。自身の作詞作曲で。(1曲はインスト)

歌声の魅力と、あと自身のクリエイトした歌詞が初めて円盤に乗って放たれるってことで、このネイキッドな編成でシンプルに奏でるってのはよかったなーって思った。楽器数が多いものよりシンプルな方がダイレクトに訴えかけてくるんだよね。

実際に作詞作曲したのがいつのことだか分かんないけど、曲調と、歌とピアノだけの空気感が、リリースされた今の季節、晩秋から冬ってのがマッチしてる。意図してんのかな?してないかな。

歌詞に関しては、3曲すべて”君”と“自分”の歌で、“君”だけ出てきて一人称が出てこない2曲の主人公は女性の”私”だろう。3曲目の『ichou』だけ主人公が“僕”だから”君”との視点が他と逆になっている。っていうかどれも主人公は自分自身なんだろうな。たぶん。

んで、歌詞を追うと3曲とも二人の関係性が過去のものになってる…と…思うんだけど、俺の誤読じゃないよね?たぶん。ビート押しではない、音数の少ない音楽だからよけい切ない。

まあとにかく、ラヴリー・レイナがこんなにたくさん、スキャットではない意味のついてる日本語で、ハモりではなく主旋律で歌ってるのを聴くって初めてで衝撃。詩で内面を垣間見るのも新鮮。

逆に言えばシャケと組んでるときの立ち位置ってのも、それはそれで世にいるどのヴォーカリストとも異なる、独特なものなんだなー。