『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。
入稿 2012/11/25
Led Zeppelin / Celebration Day (2012)
disc:1
1. Good Times Bad Times
2. Ramble On
3. Black Dog
4. In My Time Of Dying
5. For Your Life
6. Trampled Under Foot
7. Nobody’s Fault But Mine
8. No Quarter
9. Since I’ve Been Loving You
disc:2
1. Dazed And Confused
2. Stairway To Heaven
3. The Song Remains The Same
4. Misty Mountain Hop
5. Kashmir
6. Whole Lotta Love
7. Rock And Roll
ここまで、パフォーマンスを披露するバンド、それを目撃する観客、さらには作品となった音源を聴くリスナーまでもが、開演時間を緊張して迎えるライヴは、そうない気がする。その、レッド・ツェッペリン一夜限りの再結成ライヴは2007年、ロンドンのO2アリーナで行われた。
オープニングの『Good Times Bad Times』では、緊張感が先に立って演奏が硬い印象。しかし曲が進んでいくと、伝説のツェッペリンが、その巨体を空に浮かべるように、演奏は格段にのってくる。
ロバート・プラントはキーが下がっているものの、超高音ではない部分で表現力は健在。ジミー・ペイジのギターからは、複雑なロックの名リフたちが次々を放たれ、ジョン・ポール・ジョーンズはベース、キーボードと、ツェッペリンのリズムと音空間に表情をつけていく。そして、ジョン・ボーナムの実子、一番プレッシャーがかかっていたであろうジェイソン・ボーナムは、見事にバンドのグルーヴを牽引している。
序盤の手探り状態から、ぐんぐんとバンドの温度が上がっていく様子がリアルに感じられて面白い。中盤になるともう、オリジナルとキーが変わっていることも気にならないくらいに集中して、ツェッペリン・マジックを向き合っている自分に気付く。
過去に数回行われた再結成は、万全なものとはいえなかった。そしてメンバーの発言を聞くかぎり、この先再び彼らが集まって活動することはないようだ。21世紀のレッド・ツェッペリンは、ボンゾの不在やメンバーの年齢などといった条件がある中、考えうる最高の演奏をしてくれた。バンドの有終が詰まった作品といっていいだろう。(Jeff Goldsmith)