ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

(谷)

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

Dr. John / Dr. John's Gumbo (1972)

入稿 2011/06/17

 

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1. Iko Iko
2. Blow Wind Blow
3. Big Chief
4. Somebody Changed The Lock
5. Mess Around
6. Let The Good Times Roll
7. Junko Partner
8. Stack-A-Lee
9. Tipitina
10. Those Lonely Lonely Nights
11. Huey Smith Medley: High Blood Pressure/Don't You Just Know It/Well I'll Be John Brown
12. Little Liza Jane

 

Dr. Johnの代表作であり、ニューオリンズ音楽の入門書的名盤。実はDr. Johnのオリジナル曲は1曲のみ。あとはすべてカヴァー曲である。しかし本作には“カヴァー・アルバム”というイメージはないし、Dr. Johnにも“カヴァーでヒットを出した人”というイメージはない。

それは、彼が土着的な音楽を見事に血肉化し、料理した結果ということだろうか。ちなみに『ガンボ』とは、アメリカ南部で食される、様々な具を煮込んだスープのことだそう。

ルーズなようで小気味よく跳ね、小気味よくありつつも大らかなノリで生命力溢れる音楽、ニューオリンズ・ミュージックを、髭面でダミ声のピアノ弾きが見事に煮込んで料理している。両者の幸せな関係が良くあらわされているアルバムであり、Dr. Johnによって煮込まれスープとなった南部の音たちは聴いていると心が躍る。(Jeff Goldsmith)

 

Gumbo by Dr.John (2008-12-10)

Gumbo by Dr.John (2008-12-10)