ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

男と女とFantasy

2015/12/09 The Elements Of King Crimson Tour In Japan 2015@Bunkamuraオーチャードホール

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と、いうわけでキング・クリムゾンのライヴを観たんだけど、2回書いてまだ本編について1mmも触れてない。

 

日本の影アナに続いて最終の英語でアナウンスがあった後、場内暗転。ずっと鳴ってた客入れSEがそのままずっと流れる中、もったいぶることなくスススっとメンバーが登場。そんでおもむろにメル・コリンズがフルートを吹きだしてアルバム『ポセイドンのめざめ』の冒頭2曲からライヴが始まった。パット・マステロット、ビル・リーフリン、ギャヴィン・ハリソンと、3台のドラムがステージの前方に配置されている。そう、今回のラインナップはアレなんだよアレ!流行語大賞のアレ。トリプルスリー編成。トリプルスリーだから、トリプルスリーだから音が分厚い!トリプルスリーだから!3階席から見てると、ユニゾンだったり3人バラバラのパターンを叩いたり、同じフレーズっぽいけど違うところ叩いたり、複雑多重構造でいろいろ大変。それでブレイクがピタリとキマると気持ちいい。

歌とギターのジャッコ・ジャクスジクは、どの時期のレパートリーを歌ってもハマるし、違和感はなかったように思う。

『エピタフ』も『レッド』も、『クリムゾン・キングの宮殿』も、サラッと繰り出してくるから油断ならない。演奏曲以外にも聴きたいのは沢山あっても、やった曲はだいたい、「あ。これ聴きたかった」っていう、強力なセットだったな。オリジナルのレコーディング・メンバーと違ったり、というか楽器の編成も変わってるのでアレンジはされてんだけど、客の脳内に保存されてるオリジナルとあまり干渉しないようなさじ加減のものだった。

メンバーが乗る台がある以外はステージ・セットもなく、照明はアンコールの『スターレス』で赤くなるだけでそれ以外はなにも変化無し。演出らしいものがホンっとになにもなく、まさに音楽のみしかそこに存在しない演奏会。それで1万5千円とか払った満員の客を唸らせるんだから凄いなあ。唯一のサービスは、ベースのトニー・レヴィンがステージ上からカメラを構えたら、客も撮影していいよっていうものだった。

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で!クリムゾンの頭脳でありながら、各メンバーには見せ場を与えつつ自分は後ろですべてをコントロールしてるロバート・フリップを忘れてたぜ!ずっと座ってるので蝋人形館に置いてあったやつかと思ったけど、野球帽を被ってないし、指は動いてたから本物だたぶん。この人が全権握ってんだ恐ろしや。

日ごとに曲順が入れ替わってるようで、俺の観た日の、本編最後が『21世紀の精神異常者』でアンコール、オーラスが『スターレス』ってのは良かったな。

 

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まったくもって、何の会合だっていう客層。

 

 

The Elements Tour Box 2015

The Elements Tour Box 2015