ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

Wooden Ships

ボビーと緊張関係に陥ったところまで、書いた。

キレたボビーに、じゃあもういいよみたいな感じになったまま時間は流れ、年末の自治会行事、大掃除の日になった。朝食後、大掃除に出る支度をしていると、チャイムが鳴った。ドアを開けると、ボビーが立っていた。「キョウ、ソウジデレナイネー。オカネ、ハラウノ?」

反則金のことを言っていた。自治会の美化活動に不参加は、2,000円の反則金が発生する。この日の連絡についての回覧版に、そのことも書いてある。話は横にそれるが、俺はこの"反則金”という言葉には違和感を覚える。駐車場の利用違反とかならまあ反則金だが、職業によって休日、就業時間がバラバラで、おそらくその多様化も進んだきょうび、日曜日に集中する行事を欠席で即反則とはいかがなものか。かといって参加、不参加の不公平感を解消するため、まったくなくすというのは難しい。なのでせめて、来季は名称を変える提案をした。美化活動費とかにすればいいと思う。

話を戻す。ボビーは日曜日には教会へ行くということで、掃除には参加できないということだった。まあ分かる。でも、仕事で出られない人も払うから、そこは払ってくれと言った。すると「シゴトジャナクテ、カミサマネー」とボビー。毎年元日に初詣する以外、信仰心のない俺としては、初めてその価値観に直接触れた。宗教・信仰と生活が密接な国の人はそうなんだろうなあ。分かるは分かるが、それでは掃除の参加者と、反則金を払って不参加の者とバランスが取れなくなる。「ベリー・オールドマンとエヴィリディ・シック・マンじゃない人はみんな払うんだよ」とかなんとか説明して納得させた。その他、駐車場のことやらなんやら、ボビーが納得いかないことはすべて説明した。一時駐車までダメとは言わないんだよ、荷の積み下ろしぐらいならいいとかなんとか。

そのうち、ボビーは「ニホンデスムノ、ストレスネー、ベリー・ストレス…」とか嘆きだした。しかも段々、カタコト日本語から、ほぼ英語のみになって嘆きだしたので、これはちょっとまずいなーと察した俺は「オー、それはソーリーね。ソーリー、ソーリー」となだめた。さらに身の上話を交えて嘆いていたので、そこで俺は腑に落ちた。前回、問題になった名前掲示を拒むのはそういうことでか。まあ家庭の事情なんだな。家庭の事情で越して来て、名前を出したくないってのは他にもいるっぽいから、それはそれで現状にあった対策を考えないと。俺は部屋着のままそとで20分ぐらい話していたら、ボビーに「サムイ?サムイ?」と心配されてしまった。

とりあえず反則金のことはなんとか納得させて、話は終わった。

この後大掃除をやっていたら、まさかの急展開があるんだが、今日はもういいや!!!!!