とんねるず / 仏滅そだち (1985)
俺は、とんねるずの歌手活動については黄金期を迎えるポニーキャニオン時代より、初期の、アルバムでいうと2枚目までのビクター時代の方が好きなわけ。移籍前後での大きな違いといえば、作詞は引き続き秋元康なんだけど、(アルバム区切りで)作曲はビクター時代が一風堂の見岳章、キャニオンからはサディスティック・ミカバンドの後藤次利ね。キャニオンのアルバムは、有名ミュージシャンによる曲提供も多いか。
とんねるずの音楽活動はキャニオン移籍後の方が長いし、80年代終わりから90年代初めにかけてのヒットに関しては、後藤次利の貢献度は絶大なんだけど、見岳章が手がけたビクター時代の2枚って好きなんだよなあ。2ndアルバムの『仏滅そだち』は特にアナログA面が最高で。A面の充実度つったらU2の『ヨシュア・ツリー』並だな。その中でも貴明のソロ、佐野元春のパロディ『Shikato』から、2人の『After Summer』という流れはマジで素晴らしい。
初期の、なんだかわからないようなメチャクチャなパワーって、活動がさらに充実するその後でも再現できるものでないし、最初のアルバム2枚にはそれが詰まってんだよな。まだ失うものがない感じだから、てきとうでチープな部分も上手く作用してるってこともある。
タイトル曲である『仏滅そだち(Who Am I)』は、ギャグのセンスがつかみどころなくて、製作意図は今でもよく分かんないんだけど、とにかくこのアルバムってかなり好きなんだよ。
仏滅そだち
(1994/06/25) |