ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

一週間、全部が月曜日ならいいのに…

Alice in Chains Japan tour 2014@新木場studio coast

 

…と、いうわけでアリス・イン・チェインズのライヴを観た!

新木場のstudio coastは、俺初めてだよ。開演予定時刻の30分前、18:30に到着。入場すると、そこにまだ客は少なかった。最終的にフロアは満員近くなったんだけど、後方のテラスは閉鎖されてたから、動員は結構渋かったっぽい。前日の 横浜 BAY HALLは完売だったのに。ちょっと調べてみたら、こっちの会場はキャパが2000人ぐらいもあって横浜の倍なのね。横浜と東京って立地じゃ客が割れちゃうし、こっちは月曜開催だし。そもそも来日公演の発表もけっこう遅かったんだよね。嗚呼、もったいない。

場内にはBGMとして、ディオとか、アイアン・メイデンとか、アイアン・メイデンとか、アイアン・メイデンとか…アイアン・メイデン多いな!俺が入ってから3曲はかかたったぞ!これって、店の選曲かな?メンバーの選曲かな?おそらくグランジ全盛の頃だったらないような80年代メタルばっかのBGMと、今回と同じクリエイティブマンが呼んだライオネル・リッチーの公演告知を何度も聞きながら開演を待つ。かなり外国人の客が多い。米兵だな。座間のアーミーか、横田のエアフォースか、横須賀のネイビーかわかんないけど。米兵は日本人より騒ぐので、開演予定時刻が近づくと、「アォー!」とか、「ヒュー!」とか、「アーリス!イン!チェインズ!!」とか奇声を発したりして盛り上がるね。あれ、本場の盛り上がりっぽく演出するためのエキストラじゃないよね?つうか、勝手に米兵と限定して書いてるけど、まあフランス料理を教えに来たフランス人シェフとか、ケバブを作りに来たモーゼスさんでないことは確かだ。

場内が暗転すると、闇の中ジェリー・カントレルのギターが「ゴーーン!」と鳴り響き、フィードバックノイズ。そこから『Them Bones』。さらに『Dam That River』と続く、アルバム『Dirt』の頭2曲から始まったよ。これは盛り上がらざるを得ない。俺もいつの間にかフロアの前半分ぐらいの所にいて、気付くともう四方に米兵。みんな腕が丸太みたいに太いし、ビール飲んでるし、俺なんかゲゲゲの鬼太郎に出てくるサラリーマンみたいな感じの人間だし、さっきミネラルウォーター飲みきれないやと思って捨てたぐらいだから、屈強な米兵がノリノリなのにぶつかったら絶対かなわないよ超こえーもう最高!と、ライヴを楽しんだよ。

3rdから『Again』、再結成後の『Check My Brain』、『Hollow』と、フロアのテンション落ちず、これもなんか良かったな。3rdアルバムって全米1位になったわりに不遇というか、この頃からレイン・ステイリーのドラッグ問題で活動がままならなくなったからね。さらに日本盤はジャケットの三本足犬がマズくて発売が凄く遅れたり。聴いてみた印象も、一定のクォリティは保っているけど前の2枚からするとあと一歩何か足りないって感じだったんだよね。でも今回、ちゃんとした状態で生演奏を聴くと凄く良かった。レインが没してウィリアム・デュヴァールが歌ってる再結成後の曲もかなり受け入れられてて、フロア中央はみんな暴れるし、クラウドサーフも多発で盛り上がってた。

そうそう今回、ウィリアムが凄く良かったんだよね。CDやネット動画で接しているだけでは分からない、彼だからこその存在感というか、轟音の生演奏を前にしたら、レイン不在の物足りなさというものは完全に吹っ飛んでいたな。ギターもかなり弾くしね。もうツインギター、ツインヴォーカル体制だよね。ギターはレインも少し弾いてたけど。

で、レイン不在は前向きに克服されてたけど、レインのことは皆まったく忘れているわけじゃなくて、ショーン・キニーのドラムセット、バスドラに「LSMS」とあったんだよね。レイン・ステイリーと、元ベースのマイク・スターね。故人2人のイニシャルが付いてるって情報があって。6人のアリス・イン・チェインズね。情報どおりの意図だったら、すげ~イイ話だなあ…

フルアルバム5枚に入っている曲と、あとミニアルバム2枚からもね。アコースティック色の強い作品。といってもエレキで弾きとおしてたりもするんだけど。その静か目な曲も良いんだ。アリス・イン・チェインズの魅力、二面性ね。

本編ラストが『Love, Hate, Love』。アンコールは『Got Me Wrong』、そしてマイク・アイネズがあのベースライン、あの不穏なフレーズ、あのイントロを弾いて、そこに悲しげな「Uh~♩」が重なり、『Would?』が来た。クライマックス!もうバナナの涙(涙ぁ~)がバナナんボーみたいな感じでフロアは極限状態。オーラスは『Rooster』で、なんかもうノリノリではなく、ドロドロに溶解するエンディングで締めた。

今回あらためて思ったのは、アリス・イン・チェインズというバンドの、楽曲の強さ。へヴィなギター、ベースのリフ、そしてそれと相反するようなヴォーカルハーモニーの美しさ…ってのは前から言われてるんだけど、歌モノとしての完成度。サビとか掛け声的なフレーズだけじゃなくて、みんなAメロ頭からすべて歌いたくなっちゃうんだよ。気持ちよくて。もう全編ずっとシンガロングが凄いの。そこへさらにリフの強さが加わって暴れたくなるからね。良いよね。

終演後、メンバーが成田山新勝寺の豆まきみたいにピックまいたのをゲット。床に落ちたピックを拾おうと下向いたら、もみくちゃの中メガネ落としちゃって、やべー踏まれて壊れる!と慌ててたら横にいた米兵が「タイヘンダネー!」だって。ご心配サンクス!

グランジムーヴメントから月日は流れて21年ぶりの来日、かつての看板ヴォーカリストは故人と、自分的にふたを開けてみないとって要素はあった。でも実際は、動員以外は何もかもが素晴らしかったな。良い夜だった。ストーンズ観て、また翌週がこれだから、最高だよね。その分財布的な事情がアレだけどね。

アリス・イン・チェインズはもし次があれば、同じようなキャパで満員にしてあげたいなあ。それで観たい。前の来日はあのUDOフェスだったしさあ、なんとか懲りないでまた来てほしいな。

Devil Put Dinosaurs HereDevil Put Dinosaurs Here

(2013/06/05)

Alice in Chains

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