ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

ファイヴ・ロング・イヤーズ

東京巣スカイツリーの展望台に登った私は、さらに地上450mに位置する展望回廊を目指したのである。

ここからの行程はさらに厳しく、登頂者全員に酸素マスクと防寒服が用意され、万が一のときのため、下界に残してきた家族や知人たち宛てに遺書を書くよう薦められた。第一の展望台には耐えられた屈強な男たちの中にも、展望回廊までのエレベーター内では失禁、失神、そして発狂するものが続出した。

これが地上450mからの眺めである。ただ、感覚が麻痺してしまうのか、100mほど上がっても同じように見える気がする。ただ先ほどと違うのは、静寂。ここまで来ると、下界の喧騒はもちろんのこと、350mの展望大にあった人々のざわめきが消え、あるのは風の音、そして酸素マスクを使っている自分の「シュー…コー…」という呼吸音のみ。突如として孤独と不安を感じ、大きな声でわめき、叫びたくなる。

ひとついえることは、ここから絶対に落ちてはいけないと、誰もが必死にしがみついていた。

ここのトイレでウンコをする際、どんなユルユルのウンコでも、450mからの落下だと地上ではボーリングの球のような破壊力になってしまうので、下にいる通行人には十分注意をはらうようにと言われた。

東京ドームが見える。今日はt.A.T.u のライヴか?

快晴といいつつ、富士山には雲がかかっていてほとんど見えなかった。残念。この翌日、電車に乗ったら窓からフツーにくっきり見えた。なんなんだよ。

上野公園、不忍池。イチョウが黄色くなっているのが分かる。

関東平野はもうどいつもこいつも関東平野でなんだかなーといった感じであった。

以前、日比谷公園から浅草まで歩いたことがあって、その位置関係を上から見てみると、なんだかな~と思ってしまった。なんだかな~。

そんなこんなで、私は東京上空で2時間ほど過ごした。ここからの夜景も見てみたいが、なんせ展望回廊まで登るには3,000円もかかるので、「じゃあ来月」というわけにもいかない。次に来るのは何年後になるだろうか。それに展望回廊はほんとに展望するしかない場所なので、3000円払って時間制限はないにしても、そうそう何時間も滞在することもできない。あとは各自、それぞれに頑張って欲しいしだいである。