ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

せっかちなかたつむり

ZIGGY / HOT LIPS (1988)

 

ZIGGYが大ブレイクするきっかけであり、同時に最大のトラウマとなった、『GLORIA』が収録されているのが、メジャー二枚目の本作である。…のだが、『GLORIA』がTVドラマの主題歌に採用されてヒットしたのって、これから一年くらい後の話なんだよね。俺も忘れてたけど、『GLORIA』のシングルって、アルバムと同発、そしてドラマ『同・級・生』の放送に合わせてと、二度出ているんだった。

このアルバムまでは、アマチュア時代からのストック曲を使っていて、次作『NICE&EAZY』からがプロになっての書き下ろしとなっている。これは前にも書いたな。そういった意味では、一区切りついた作品。

戸城も曲、詩を提供しているが、まだ”もうひとりのコンポーザー”といったところまでは頭角を現してはいない。基本的には、森重カラー。でもベース・ラインを追って聴くと、その片鱗を示しているね。

ポップ・サイドの完成度に対して、ロックンロール系の曲は若干ラフな作りに感じるかな?その中のひとつ、彼らが敬愛するジョニー・サンダースが参加した『PLAYING ROCKS』では、そのジョニーのギターが、けっこうどうしたものか…という存在になってしまっているという。かなりそのギターはカットされたらしいしなあ。

何十年、ずっとモヤモヤしてたんだけど、宗仁の貢献度ね。ギター・ソロは、どうもあんましって感じなんだよなー。何割かでハマってるのもある。でも、そうでないものも多い。『NICE & EAZY』に入ってるヴァージョンの『SING MY SONG』なんて、けっこうガックシだなって思うぞ。各自の音楽的方向性を、かなりざっくりと分けると、森重の歌謡メロディ、グラム・ロック。戸城のハード・ロック、(後に)オルタナティブ・ロック導入などに対し、宗仁といったらストーンズなどのロックンロール、さらにはブルースといったところだけど、じゃあ、宗仁にブルース的なギター・フレーズの引き出しが沢山あるかといったら、そうでもない気もするんだよね。その後はともかく、最初のZIGGY在籍期間中は。じゃあ、宗仁の魅力は何なのか?と問われれば、たぶん、サビのバックとかで、歌メロと絡むように、カウンター当てているフレーズなんじゃないかなーって。そう思ったりするんだけど、この意見、今どれくらいの需要があるんだ?

HOT LIPSHOT LIPS

(1988/05/25)

ZIGGY

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