秋葉原へ。
新しいラジオ会館…に行こうかなと思ったが、時間がなくて1階を一瞬覗いただけ。2号館は近寄れもしなかった。時間のペース配分を誤った。ヨドバシに長居し過ぎたか。否、単に予定を詰め込みすぎた。
大江戸線で月島へ。佃に近づいていくと、盆踊りの音が聴こえてきた。すでに始まっているようだ。
子供達が輪を作って、『佃念仏踊り』を踊っている。
佃島、月島界隈は、これまでに何度も訪れているが、タイミングが合わなくて盆踊りを観たのは初めて。その存在は知っていて、どんなものかと思ったが、実際に観てみるとこれがけっこう感動ものだった。
東京都の無形文化財に指定されているこの盆踊り、夏のお祭り気分というよりは、厳か、ストイックな感じでテキ屋の出店も出ていないし、ヤンキーやギャルがタムロっているということもない。
出店がないので、子供達は目の前にある、正しすぎる風情の駄菓子屋でお菓子や飲み物を買う。
そういえば、出店がないので辺りにソースやら醤油やら小麦粉の焦げた、祭り独特の匂いが漂っていない。
俺もラムネ飲みてえなあ…
供養棚にお線香をあげ、祭りの輪に加わる。
たまに曲を止めて、場を取り仕切っている偉いおっさんが、「ちゃんと白線にそって輪を作れ」とか「小さい子供を輪の真ん中に入れるな」とか、「見物人はポールの外でしょ昨日も言ったでしょ」とか「守れないと中止にするよ」とか、注意している。なんだかいろいろ大変だ…無形文化財。
基本的にストイックな盆踊り、それしかないので、見物人はずっと踊りの輪だけを観ていることになる。
隅田川の向うに陽が完全に沈み、リバー・サイドの街に夜の帳が下りる頃、私は佃島をあとにした。
後編へ続く。
逃避めし
(2011/07/12) 吉田 戦車 |