梅雨はまだ明けていないが、暑い(と、なんだか日記のような書き出しでスタートしてみる)。
日本の長髪ロックンロール・バンド、ZIGGYとSHOCKのミニ・アルバムがほぼ同時に出た1987年の夏、高校生だった私はバンド仲間の部屋でその2枚を聴きながら、「うわぁ、クーラーのある部屋って涼しいんだなぁ」と思った記憶がある(レコードの感想じゃないのかよ!)。と、いうことは、そのときまだ、我が家にはエアコンがなかったのである。その1年か2年後には買ったと思うが、その年までは我が家にエアコンは設置されておらず、扇風機とウチワで過ごしていた。それでも過ごせたのだ。あの頃は。
渋谷や新宿など、都心に住んでいるわけではないが、標高1,000mの山の上に住んでいるわけでもない。関東平野の住宅地で、エアコンなしで乗り切れる夏があった。
―今回、ZIGGYとSHOCKの話はこれ以上膨らまさないで先へと進む―
昨今は、エアコンなしだと乗り切れない夏になってしまっている。
去年も暑かった。死者が多数出るほど暑かった。今年はそれに加え、節電やら何やら大変だ。テレビの情報番組では、冷やしメニューの特集なんかをやっていた。
「気温が高い。死ぬほど暑い→食べ物、飲み物」で、オーケンが書いた“チャイ”の話を思い出した。
以前、記事を書いた本『オーケンののほほんと熱い国へ行く―インド・タイ』の中には、オーケンが灼熱のインドで熱くて甘いチャイを飲むくだりがあって、その衝撃が見事に描写されれている。
『オーケンの散歩マン旅マン』にもインド旅行が登場する。しかしこちらはその項が短い。チャイには触れていない。
沢木耕太郎の『深夜特急』は、第3巻が『インド・ネパール編』だ。こちらにも、チャイを飲む場面が登場する。オーケンの本にもあるが、飲み終わったチャイの器はそのままポイと投げ捨て、土に返すことにも触れている。
椎名誠『インドでワシも考えた』には、チャイは出てくるのかどうなのか…全部再読するのがメンドクサイので分からない。とりあえず「本場のカレーは、実はそんなに美味くなかった」という話はあった。
中谷美紀『インド旅行記 1 北インド編』も、どうなのだろう。とりあえず、ヨガはやっている。
そこでだ、暑いので、飲食店、とくにオープン・カフェなどスペースでは、いっそのこと熱い『チャイ』などを推して見てはどうだろう。当たると思うけど。
いや、もちろん責任は持たない。
さて肝心の、「じゃあ、お前はチャイを飲んだことがあるのか」という問いに対してだが、ない。チャイを飲んだことはない。一度、ペットボトル飲料でそれっぽい打ち出しの商品を飲んだが、それでは“MAXコーヒー”を飲んで「コーヒーを飲んだことがある」と言っているようなものだ。だいたいチャイを飲むとか、インドに行ったことがあるかという以前に、日本から出たことがない。それが何故かと聞かれれば、「そのような人生だったから」としか答えようがない。
ここまで読んでくれて、どうもありがとう。
![]() | オーケンののほほんと熱い国へ行く (新潮文庫)
(1998/09) 大槻 ケンヂ |
![]() | オーケンの散歩マン旅マン (新潮文庫)
(2003/05) 大槻 ケンヂ |
![]() | インドでわしも考えた (集英社文庫)
(1988/01/20) 椎名 誠 |
![]() | インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)
(2006/08) 中谷 美紀 |