ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

ノウ・ユア・エナミー

加山雄三 / グレイテスト・ヒッツ (アビーロード・スタジオ・マスタリングス)(2001)

タイトルが示すとおり、アビーロード・スタジオでのリマスタリングを前面に打ち出したベスト盤である。そう、音質は!…比較できるものを持っていないので分からん。たぶん良くなっている。

さて、幼少の頃から耳慣れた若大将の歌声であるが、今回発作的に思い立って、テレビやラジオから流れるのを聴くだけではなく、もう少し踏み込んで向き合ってみた。まあ、「向き合って」といってもベスト盤をレンタルしただけではあるが。200円出して向き合ったというワケだな。

選曲について、「私にとって最高のあの曲、この隠れた名曲が入っていない!」という話はファンの方に譲るとしよう。

だって、細かいところは分かんないんですもの。

『恋は紅いバラ』の“プレスリー感”、『君といつまでも』の“まったり感”、“色男感”、『夜空の星』など、サーフ系サウンドの疾走感。ん~最高ですね。 あ、あと『君といつまでも』のように、メロウな曲で、間奏にセリフが入ってるのが思った以上にあってびびった。あのセリフはもう、ギター・ソロとかと同じような扱いなのか?

『お嫁においで』で聴くことのできる、ウクレレとスティール・ギターが奏でる“避暑地感”。何だよ“避暑地感”て。

まあどれも、長いキャリアの中から1枚に選りすぐられた曲なので悪いものが入っているはずもないんだが、その中でも一番グッときたのは『海 その愛』が発する“壮大なスケール感”ですかね。これって7分以上もある大曲なんだなあ。長くなる要因は、しつこいくらいに繰り返されるサビのリフレインなんだけど。

上記の感想を含め、聴いていて感じたのは、なんといっても加山雄三=“弾厚作”の、作曲家としての身体能力の高さだった。自作のシンガー…シンガー・ソングライターとして凄い。

歌をヒットさせて、ギターの腕前もあって、作曲をこなし、俳優業でも成功を収め、セックス・シンボルとして君臨し…芸術センスに秀で(画集を何冊も出している)これって、もっと下の、ワシと同世代だと誰がいるだろう?

あ、福山雅治か!

加山雄三は基本的に作曲の人。福山雅治は作詞作曲。加山雄三は画家、福山雅治は写真家。福山は司会業はやらないという違いはある。

だから…だから…何なんだっていうと…

いや、べつに何でもなくて、ただ単に、無理矢理でもそこへ着地させたかっただけなんだけどね!

えええっ!???

最初に「踏み込んで」と宣言した割りに、まったく踏み込まないまま…おしまい。

グレイテスト・ヒッツ ~アビーロード・スタジオ・マスタリンググレイテスト・ヒッツ ~アビーロード・スタジオ・マスタリング

(2001/11/21)

加山雄三

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