足利徘徊。午前編からの続きなのだ。
昼食後、渡良瀬橋まで歩いたところで、ふと思いついた。「そうだ、森高千里『渡良瀬橋』の歌詞に登場する出てくる他のスポットにも行ってみよう」
足利は何度か訪れているが、そのコースは歩いたことがない。「昼食はコンビニで弁当を買って、渡良瀬川河川敷で食えばいいだろう」という以外、綿密な計画を立てずに来てしまい、しかも足利まで来て足利学校を拝観しないという、なんだかよくわからない時間を過ごしてしまった。しかしここにきて突然、具体的かつ立体的な行動計画が浮上してきた。立体的”って何だよ?いやぁ単に立体的って言葉を使いたかっただけである。
まずは、歌詞の中で森高がお参りをして、あなた”のことを祈る八雲神社”。駅から離れた緑町”にある。午前中すでにけっこうな距離歩いているのでけっこうきつい…
足利公園に隣接する八雲神社は想像していたより立派だった。そして静かに建っていた。あなた”のことは祈らなかった。
そしてもうひとつのポイント、床屋の前にポツンとある公衆電話”ってどこだろう?検索してみると…ぎゃあ!通七丁目”ってさっき通ってきたところじゃないか!くそぅ!要領悪いなあ。
また結構な距離を歩いて戻る。
そして、あった。あったよ床屋の前に。ぽつんと。公衆電話が。床屋も公衆電話も健在だった。
森高のコメントが載っている観光案内パンフレットが貼ってあった。
『渡良瀬橋』という曲、森高千里の凄いところは…彼女は大阪生まれの熊本育ちなので、栃木県足利市、渡良瀬橋とは元々縁も所縁もないのである。曲を聴いていると、そんなストレンジャーである森高が作り上げた世界観の中で、足利の街、その風景や恋人との想い出があたかも実体験したかのようにリアルな像として立ち上がってくるのである。綺麗な夕陽が見えてきちゃうのである。こりゃまいった。今日は夕陽が沈む時間帯まで居られないけど。
公衆電話からの帰り道。うっ…織姫神社。どうしよう、ここまで来てスルーというのも…でも、これ登るのかよ。前に参拝したし…朝は肌寒かったのに今はすげー暑い。いいか…でも。
登った。暑い。ムチャクチャ汗かいた。この神社はイメージが空中都市みたいなんだよな。空中都市のような、竜宮城が空の上にあるような。
ちょっとマジでシャツが汗だらけだ。脚がそろそろ限界だ。でもここからの眺めはすこぶる良い。
と、いった感じで、肉体的疲れから、久喜まで乗り換えがない帰りの電車では、朝に続いてまた爆睡してしまった。
こうして足利までの小旅行は幕を閉じたのであった。
雨/渡良瀬橋
(2009/11/25) |